女優魂を見せたジェーン・バーキン(左)と、『ヘウォンの恋愛日記』ヘウォン役のチョン・ウンチェ(右)

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 加瀬亮主演の『自由が丘8丁目』や『3人のアンヌ』などのホン・サンス監督による映画『ヘウォンの恋愛日記』に、カメオ出演を果たした歌手・女優のジェーン・バーキンが、撮影当日に台本を受け取ってから30分ほどでセリフを覚え撮影に臨んでいたことがわかった。同作の助監督を務めているイ・ジェハンが明かした。

 ジェーンのカメオ出演の話が持ち上がったのは、撮影に入る1週間ほど前だったという。コンサートのため韓国に来ることが決定していたジェーンが、同国メディアのインタビュー記事の中でサンス監督に向けて、「一緒に仕事をしてみたい」とラブコールを送っていたとのこと。それをきっかけに話は進められたものの映画の撮影開始日の翌日にジェーンの公演が控えているというスケジュール上の難しさが発生。

 しかしジェハン助監督によると、ジェーンは「撮影初日にわれわれの現場に寄るとおっしゃって、そしてホン監督が望むなら、その日カメオ出演もできる」と連絡してきたという。そして撮影当日、「古くからの友人に会うかのように、もつれた髪に横に広がったコーデュロイパンツ姿」で現場に登場。「あいさつと同時に台本を受け取り、30分ほどそれを覚え、撮影し、スタッフたちと写真を撮り、北村(プクチョン)をたちました」と短い時間ながらしっかりと仕事をこなしていたとのこと。

 またジェーンは、『3人のアンヌ』で主演したイザベル・ユペールから、監督の現場が素朴であり、役者には不便になることもあると伝えられていたというが、誰よりも熱心な様子を見せていたという。大女優の姿に現場では感動が巻き起こったようで、「短い時間でしたが、みんなにとって気持ちの良い瞬間でした」とジェハン助監督は振り返っている。(編集部・井本早紀)

映画『ヘウォンの恋愛日記』は8月16日よりシネマート新宿にて公開