個人では儲からない?不動産ビジネスで利益を出す秘訣

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 年を取って働けなくなっても家賃収入があれば安心!ということで、不動産投資は数ある投資の中でも高い人気を誇ります。
 たしかに、不動産を手に入れ、入居者を募って部屋が埋まれば黙っていても家賃が毎月振り込まれるわけですから、夢のある話です。
 しかし、「いかに手元にお金を残すか」を考えると、一筋縄ではいかなくなります。税金や管理費など「出ていくお金」のことをしっかり考えなかった結果、家賃収入と同じだけお金が出ていって儲けが出ないという例は案外多いのです。
 この問題を解決するために書かれたのが、不動産コンサルタント成田仁さんの著書、『新税制対応 プライベートカンパニーを活用して、不動産投資をしよう!〜不動産と会計のプロが教える法人化による資産運用の教科書〜』(クロスメディア・パブリッシング/刊)です。ここでは、収入を得るだけでなく「支出を減らす」方法が、プロの目から解説されています。

■不動産投資を「法人」でやるべき理由
 本書によると、不動産投資で「手元にお金を残す」ために、やるべきことは基本的には一つで、会社を設立して「個人事業主でなく法人として行うこと」だけ。
 その最大の理由は「税金」です。
 仮に個人事業主として家賃収入を得たとすると、課税所得には当然所得税がかかります。所得税の税率は所得が多ければ多いほど上がり、最高税率は50%(平成27年からは55%)。
 しかし、法人化すれば、所得にかけられるのは「所得税率」ではなく「法人税率」です。法人税率は、現在東京都で最高35.64%。自分で会社を設立して、その会社名義で不動産ビジネスを行えばこちらの税率が適用されるわけですから、同じだけの所得があっても支払う税金の額は少なくて済むのです。

■家族や配偶者を雇えばさらなる節税
 また、家族や配偶者を役員・社員として雇い、給与を支払うことも法人なら可能です。もちろん、雇うからには社内でそれなりの責任や役割を負っていなければなりませんが、給与として家族にお金を支払うことで所得を分散させることができますし(=一人あたりの実行税率を低く抑えることが可能)、給与は経費に計上されますから、会社としての課税所得も抑えることができます。
 個人では不動産所得が全て課税所得になってしまうことを考えると、これは大きな違いです。

 法人を作るとなると面倒な手続きをこなさなければなりませんが、税金を抑えて最大限手元にお金を残す戦略が取れるという大きなメリットがあります。
 本書には「法人」として、不動産ビジネスの利益を最大化するポイントはもちろん、法人設立の手順なども紹介されていますので、これから不動産投資を始めようという人、すでに始めている人も、無駄な出費を抑えて効率よくお金を得るために役立ててみてはいかがでしょうか。
(新刊JP編集部)