帽子を放っておくとクサくなる? 誰でも似合う帽子は?〜帽子入門

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いよいよ夏本番。ニオイ対策は、大人のエチケットとして大切なこと。でも、体や服を清潔に保っているんだけれど、なんかにおうってことない? このケース、原因は帽子にあることが多い。真夏を前に、対策方法を知らなくては……。そこで、『大人のための私服の教科書』(飛鳥新社)の著者で、テレビ、ラジオ、雑誌出演のほか、ファッションセミナーの講師としても活躍中のスタイリスト久保田卓也さんに、帽子のニオイ対策に加え、似合う帽子の選び方についてお聞きした。

──真夏に帽子が臭うのは仕方がないことですか?
「帽子もケアしていますか? 脱いだままって人がけっこう多いようですけれど、汗がたっぷりついた帽子をそのままにしておけば、菌が繁殖して臭くなるのはあたりまえ。洋服は着た後に必ず洗いますよね? 帽子も同じです。汗だくのシャツを脱いだままにしておいて、翌日にまた着るのはイヤでしょ。汚いですよね 」

言われてみれば、確かにその通り。服は洗うのに、どうして帽子はそのままにしていたんだろう。

「帽子には、内側に『汗止め』があります。名称通り、額や頭から出た汗はこの汗止め部分に溜まるのですが、この部分を毎回ケアすることが、帽子を清潔に保つポイントです。帰宅したら、汗止め部分の汗をタオルで拭き取って、できればファブリーズしてから、陰干ししておく。これだけでも菌の繁殖が抑えられ、臭い対策になります」 

▲帽子の「汗止め」

これなら、特別なケア用品もいらないし簡単で自分にもできそうだ。でも、これから真夏、汗の量がハンパないんだけれど、大丈夫か心配だ。
──汗っかきな人におすすめな帽子の汗対策ってありますか?
「帽子にもよりますが、たいてい汗止め部分は水で洗えるので、ここだけ洗うのもいいですね。あと、汗止め部分に貼る『汗止めテープ(シール)』もおすすめ。簡単に自分で貼れて、汚くなったら取り換えられるし、消臭効果があるものもあって便利です」

──帽子が蒸れるのを抑えたり、汗を減らしたりはできませんか?
「汗はたいがい、被ったデコのラインにかくので、帽子を浅めに被ってデコさえ風を通しておけば、蒸れも改善できて、汗も減ります」

●日焼けや熱中症予防として帽子を被りたいけれど、似合わない人は?
──「帽子が似合わない」って声をけっこう聞くんですが、誰でも似合う帽子ってありますか?
「そもそも、帽子が似合わない人なんていません。いるのは、帽子が似合わないんじゃないかと恐れて被らない人。それが非常に多いです。似合う形、似合わない形はあるにしろ、帽子はみんな似合いますよ」

おぉ、これまで似合わないと帽子を敬遠していた人たちにとって、心強いお言葉。でも、似合う、似合わないがそもそもわからないという……。

「誰でも似合いやすいのは、中折れ帽──真ん中が折れているハット型ですね」

これは結構意外。帽子に苦手意識がある人にとってハット型は、馴染みがなく抵抗がありそうなもの。キャップ型なら、野球帽とか通学帽で馴染みやすいと思っていた。

「キャップ型は、被る人を選びます。八頭身とか顔が小さくてシュッとしている人は似合うけれど、そうでない人は正直言って難しい。帽子好きな人でも手を出すのをためらうほどです」

──顔の形によって、似合う帽子が異なるという話もよく聞きますが?
「それは、あまり気にしなくていいと思います。いいなと思った帽子を買えば、被っているうちに顔の方が似合ってくるものです。帽子と眼鏡は顔の一部になっていきます」

なるほど、気に入ったハット型を選ぶのがよさそうだ。
──ハットの被り方に正解はありますか?
「顎のラインがシャープな人や小さな顔の人は、深めに被ってスマートに。丸顔や大きい顔の人は浅目に被ってポップな感じにするといいです」

なるほど。確かに、顎のラインがシャープな次元大介(ルパン三世のキャラ)は深めに被っていてかっこいいし、ミュージシャンのナオト・インティライミは浅に被っていてとても似合っている。

●今夏の帽子のトレンドは?
──夏なので、麦わら帽子(ストローハット)も欲しいのですが? 今年のトレンドを教えてください。
「もう落ち着いてきましたが、2年前から大流行したカンカン帽型ストローハットは、誰でも似合いますね。みんなかわいく見える魔法の帽子でした(笑)。 今年は麦わらなどの天然素材ではなく、柔らかい素材のバケットハットがトレンドです。探検隊がかぶっているイメージがある帽子です。でも、この帽子もキャップと同じく人を選びます。ベージュとかカーキーなどの地味なものを選ぶと、おばさんみたいになってしまうこともあるので注意が必要です」

帽子初心者は、カンカン帽か中折れ帽のストローハットを選ぶのがよさそうだ。

「あ、最後に、帽子を買うなら、まずは洋服屋さんがおすすめです。洋服屋さんにはトレンド物を中心とした人気の色や形、厳選された帽子だけが置いてあります。帽子屋さんだと膨大な数の帽子があり、帽子初心者にはハードルが高い。あと、ハット型帽子の頭の部分を持つと、形が崩れてしまうことがあるので、ルール違反です。気を付けてください。」

知らなかったとはいえ、これまで頭の部分を持っていた。洋画の登場人物がみんなそうしているし、持ちやすいし……。ダチョウ倶楽部の上島竜兵さんのクルリンパの時のような持ち方が正しかったんですね。はい、気を付けて洋服屋さんで帽子を選びます。
(取材・文/イナガキアキラ イラスト/久保田卓也・H)

・『大人のための私服の教科書』(久保田卓也著・飛鳥新社刊)
「最近Tシャツとジーンズが似合わなくなってきた…」「同窓会に何を着ていけば…」「カジュアルデーめんどくさい」という30代以上の男性のために、久保田さんが年齢に見合った、ほどよく気の効いた私服のコツを伝授。
・久保田卓也 サイト