「ラジオ体操第三」に励む東近江市役所職員ら。ハードだし、覚えきれていないし、四苦八苦……。

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夏休み、近付いてまいりましたねぇ。待ち遠しい!
そういえば最近の小学生はやっているんでしょうか、ラジオ体操を。朝早く起きて、「イチ、ニイ、サン、シー!」なんて頑張ったりして。

一方、率先してラジオ体操を活用している地域があるのをご存じですか? 滋賀県東近江市では、昨年秋から市民の健康づくりのために普及活動に取り組んでいます。……といっても、われわれがよく知るラジオ体操ではなくて。同市が活用しているのは、なんと「ラジオ体操第三」なんです!

1964年よりNHKでラジオ体操の放送が始まったものの、「音声のみだと十分に動き方が伝わらない」といった理由により、わずか一年半で終了した幻の「ラジオ体操第三」。特徴としては「第一、第二に比べると動きが速く、手を伸ばしたりジャンプするなどの動きがダイナミックで複雑、つまり、運動強度が高い」といった要素が挙げられるよう。
私も実際に映像を観てみたのですが、ダイナミックだし、かなり跳ねるし、テンポが速いし、緩急が激しいし、結構ハードなんですよね……。体のバネ、そして体力がかなり鍛えられそうです。
「国保被保険者の40〜64歳を対象にした健康づくり事業に活用しています。龍谷大学の安西教授と井上教授からご提案いただいたのですが、運動ツールの一つとしてチャレンジしていただける内容だと思います」(東近江市・担当者)

というわけで、東近江市では以下のような「ラジオ体操第三」普及活動を今までに実施しています。
●指導者講習会の開催(6月8、15日)
●学校などでの取り組み(7月2日に説明予定)
●近隣への普及(7月から滋賀県多賀町が実施)
●県内(現在、県内の自治体に普及などのイベント開催を打診中)
●職員の取り組み(6月2日から)

そう。市民への呼びかけだけではなく、東近江市役所では昼休みにラジオ体操第三を放送し、職員もこの体操で汗を流しているらしいのです。職員らの感想は、以下。
・従来流れていたラジオ体操第一と比べ、テンポが速く、動きはきついが、午後一番の眠気が来ず、仕事への集中力が高まる。
・複雑な動きでハードだけれども、ようやく体で覚えられてきた。

確かに、眠気は取れそう! そして、やっぱりハードなんですよ。だからこそ、やり遂げた後の達成感が高いのですが。
この実用性もさることながら、“幻”の存在に惹かれる心理からか、人気は上々。同市・保険年金課が体操を収録したDVDを販売したところ、即日で売り切れてしまうほどの反響を見せているそうです。

この「ラジオ体操第三」、間違いなく一度では覚えきれません。そういう意味では、頭脳も使う運動と言えるかしら? 運動量も程よく、決しておざなりにならないのがグッドです。
(寺西ジャジューカ)