ここで結婚式!? しかし、ゲーム機を席にするという考え方もある。写真:大塚ギチ

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もともとは柔道競技会場として建設された「日本武道館」も、いまやそれだけに留まらず。格闘技会場としてはもちろん、コンサートホールとしてもおなじみです。「後楽園ホール」は“格闘技の聖地”と言われつつ、『笑点』の収録会場としても有名だし。
あらゆる空間が“多目的ホール”として活用される現状があるわけですね。

でも、ここまで振り切った会場は未だ聞いたことがなかった。高田馬場にあるゲームセンター「ミカド」は、店舗まるごとを“結婚式場”として貸し出す試みを始めているらしいのです……。
「お客さんがツイッターで『お店を貸し切りしたい』とつぶやいていたんですね。『結婚式とかできるのかな?』というツイートに『できますよ!』と返したのがきっかけです」(池田店長)
図らずも店長の奥様さまがブライダル関係のお仕事に就いていたというミラクルも功を奏し、結婚式場としての貸し出しを本格始動することと相成った。奥さまのアドバイスを参考にしつつ、夏には告知ページが完成するとのこと。

では、気になる金銭面について。どの位の料金設定になるのでしょうか?
池田店長 50万円〜を予定しています。
――えっ、安いですね!
池田店長 安いです(笑)! 通常だと200〜300万円はかかりますからね。でもこういう時代ですから余裕がない若い方も多いですし、金銭的理由で式を挙げない方もいらっしゃいますよね。そういう人たちのためにも!
――なるほど。
池田店長 もしかしたら“ゲームセンターでの挙式”ということで、親御さんから何か言われることもあるかもしれません。でも式を挙げるのは2人ですし、ご夫婦が満足していただければ何よりです。

もちろん、クオリティについては抜かりなし。料理や衣装についても、バッチリ用意してくれるそうです。
「例えば料理の味にしても“安かろう悪かろう”にならないように、頑張ります!」(池田店長)

さて、せっかくの“ゲームセンター挙式”。やはり、ならではのスペシャル企画開催の可能性もあるようで……。
「格闘ゲームや音ゲーなど、新郎新婦が好きなゲームの大会を開いてもいいですし、ゲームミュージックのバンド演奏会とかもできますよね」(池田店長)
なるほど。ゲーマー同士の結婚式ならば「2人の交際はこのゲームをきっかけに始まりました」なんて紹介もできるかもしれない。
「結婚式の開き方も、いろいろなバリエーションがあると思うんです。『ゲーム機をずらし、結婚式仕様にして』という方法もできますし、『ゲーム機を席にする』というやり方もあります。もしかしたら通常営業をしながら結婚式を開いて、来店するお客さんに自由に祝っていただくという挙げ方だって不可能じゃないですよね」(池田店長)
式の形態は、全て応相談。他では決して体験できない、唯一無二の結婚式を開けそうです。

しかし、同店で式を挙げたご夫婦は未だ0組。興味を持つカップル自体は少なくないのだが……。
「実は、現時点で2件ほどの問い合わせが来ています。本気で検討し始めた方もいらっしゃいます。恐らく一組でも開催したご夫婦がいらっしゃれば、後に続くお客様も出てくると思うのですが……」(池田店長)
なるほど、前例さえあれば躊躇もなくなるか!? 栄えある第一組を待ちたい。

さて、ゲームセンターにしてはあまりに幅広きリクエストに応える同店。しかし、それには理由があった。
「ゲームセンターって2000年くらいを境に、どのお店も儲かっていないんですね。ゲームセンターの数も、全盛期の1/10くらいに減っていると思います。ウチも個人経営のお店ですし、アイデア勝負という意味合いもあります。ゲームを交え、皆さんにお店を楽しく使っていただけると嬉しいですね!」(池田店長)
事実、店舗を会場にしてゲームミュージックのDJライブを行ったこともあるのだそう。

兎にも角にも、思い出深き結婚式を挙げられる会場となることは間違いなさそうです。
「主にゲーマーの方やゲーム業界にいらっしゃる方が楽しんでいただける式になると思います!」(池田店長)
(寺西ジャジューカ)