5月29日。神戸三宮映画祭前夜祭でのフォトセッション。豪華でしょ!

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YouTube上で公開されている著名な映画監督のオリジナル作品を劇場のスクリーンで見ることができる神戸三宮映画祭が終わった。
地元にフレンドリーで、映画好きが集う。映画製作者側も観客に紛れ込んで、他の監督の作品を観る。まさに、カンヌ映画祭のような環境だったのではないか。

今後、神戸三宮映画祭に期待できる! と思ったエピソードを紹介しよう。
5月30日にミント神戸シアター5で上演された『Regret』は、まず関係者の舞台あいさつがあってから、本編が1回上映されるはずだった。

ところが、開催時から超盛り上がっていた本広克行監督(監督作は『踊る大捜査線』など)の急なリクエストに、スタッフは冷や汗をかきつつも対応することに! 『Regret』をコメンタリー付き、つまり本広監督と、出演した原田泰造、小橋めぐみによる裏話、解説付きで2度目を観ることが実現したのだ。

この柔軟性。日本人には難しいかもしれない。しかも、コメンタリーに対する観客の対応が不慣れであることが明白だった。
何も堅苦しく考える必要はない。面白ければ声をあげて笑っていい。大きくうなずけばいい。せっかく本広監督がこんなにもオープンに観客に語り掛け、一体感を求めていたのだから、観客も応えなければ寂しい。

インタラクション(交流、相互作用)があってこそだ。映画祭における映画鑑賞は、講義を聴いているのではない。お祭りなので反応し合いたい。
筆者の主観ではあるが、日本に比べると、海外、特に欧州や米国ではインタラクションが普通にみられる。神戸三宮映画祭もそんな映画祭になるように参加者個々が盛り上げていきたい。

今回の映画祭は、何といっても目玉商品は監督たちによるトークショーがあったこと。

岩井俊二監督(監督作は『Love Letter』など)、本広監督によるスペシャルトークショーを、30人程度が入る部屋で聴く。聴くというよりも、語り掛けるような二人の話し方から、やはりインタラクションを求めている気持ちをうかがい知った。

場は、ただ楽しい雰囲気に包まれていた。
俳優たちとの制作秘話を公開してくれる監督たちのフレンドリーさ。また高岡浩三ネスレ日本株式会社代表取締役社長兼CEOが特別参加された途端、グッと映像に対する熱気が頂点に達した。

映像制作の現場にいたことがある高岡氏だから分かる日本映画界の酷な現状、スポンサー側でありながらも監督たちに対する愛情、期待を寄せていることを表現していた。

芸術って、こうした人たちがいてこそ、うまれ、成長していくんだと痛感した。
期待以上の神戸三宮映画祭だった。今回分かった課題をそれぞれの監督たち、スタッフたちが持ち帰って、来年二回目の映画祭開催に向けて準備に入ってくださることだろう。

私事ではあるが、Wooki Seasonも芸術をなりわいとする。しかもスイスで育ち、スイスをこよなく愛している。高岡氏のような、スイスに関係するスポンサーに巡り合いたいなぁ……。
(W.Season/ 編集プロダクション studio woofoo )