福知山成美vs紫野 好左腕対決!

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石原丈路投手(福知山成美)

好左腕対決!

福知山成美・石原 丈路(2年)、紫野・田中 敬人(2年)。京都を代表する投手になっていく素質を秘めた左腕対決は、石原に軍配が上がった。

初回に3点をもらって「楽になった」という石原。その裏に三塁に走者を背負ったが、連続三振に切ってリズムに乗った。「ストレートが良くてカーブも決まっていた。コンビネーションをうまく使えたと思います。キャッチャー(佐野 友亮=2年)のリードが良くて、助けてもらいました」とバッテリーの共同作業でテンポの良いピッチングを見せた。

完封目前の9回に連打を浴びて1点を失ったものの、8回までは散発の5安打に抑えた。「石原はずっとあんな感じ。ヒットは打たれても、失点はあまりしない」と田所孝二監督もエースに信頼を寄せる。

初戦で敗れたが、夏の甲子園をグラウンドで体感し、「低めにボールを集めること」が重要だと感じた石原。新チームがスタートしてからは、下半身強化を重点に練習に取り組んだ。8月末の長野遠征では、諏訪湖1週16キロを走ったという。

「監督と一緒で、僕達投手陣は途中で折り返して(戻って)よいということだったんですが、僕ともう一人の迫田(貴志=2年)は最後まで走りました」とこの時を振り返ってくれた石原。田所監督は、「走った次の日の練習試合で先発登板だったのですが、日本航空を相手にピシャッと抑えた。体力があるんだなと感じました」と目を細めた。

次週は近畿大会出場を懸けての準決勝。打撃の良い立命館宇治に対する。「一週間しっかりと調整して、絶対に勝ちたい」と意気込んだ。

田中敬人投手(紫野)

一方敗れた紫野の田中敬は初回の3失点が悔やまれる。「毎度、毎度なんですが、先頭打者を出してしまって、自分から苦しくなってしまった」と振り返ったように、福知山成美の1番佐野に与えた四球を足がかりにされ、5番前田涼太、6番西田 友紀(ともに2年)に連続タイムリーを浴びた。「せめて1点に抑えられていれば」と話した田中敬。

谷正幸監督も、「ウチは足のある選手が多い。でも序盤に点差をつけられたので、足を使った攻撃ができなかった。1点で食いついていきたかった」と複数失点を課題に挙げた。

だが、2回以降は相手がファウルで粘るなど何とか球数を増やそうと策を講じてきたが、逆に球数が多くなるにつれて球が走ってきた。「体が暖まってきた。自分は尻上がりなんです」と田中敬。3回と7回の失点はいずれもソロ本塁打によるもので、「インコースの真っ直ぐが思っていたより良かった。初回の3点がなければ、(ウチにとっては)イヤな流れだった」と相手指揮官の田所監督が話すように、打ち崩されたという印象はほとんどなかった。

181センチ80キロの体格からから繰り出される球は、「手首が柔らかい」(谷監督)という特徴から打者が思っている以上に手元で伸びているようだ。

チームで唯一、英文系の普通科第?類に在籍。全日が7限授業で、週に2日はチームメートよりも少し遅れて練習に合流するとそうだ。「その分、効率の良い練習を考えています」というエース。英語が好きで、「大徳寺の中にある学校の近くで、よく外国人の観光客に話しかけられます」というエピソードも話してくれた。

一次戦を1位で通過し、二次戦もベスト8。谷監督は「これからは他のチームからマークされますね」と話したが、京都のメイン会場であるわかさスタジアム京都で、『来年が非常に楽しみなチーム』という印象を残して、秋の戦いを終えた。

 

(文=編集部)