指宿商、投手戦制す

 指宿商が延長12回に及んだ投手戦を制し、シード尚志館に競り勝った。

 延長は12回まで続いたが、試合時間は2時間10分しかかかっていない。指宿商・村山 孝輔(2年)、尚志館・中野 泰貴(2年)の両エースがテンポの良い投手戦を繰り広げたことを物語っている。

 村山は「打たせてとる」投球が最後まで崩れなかった。12回を完投してわずか117球しか投げていない。1イニングに要する平均の球数は9.75と10球前後の理想的な数字で終始安定していた。投手がリズムよく投げれば守備も安定し、無失策で盛り上げる。12回で尚志館打線に9安打されたが、三塁を一度も踏ませず、得点の気配を与えなかったことが最大の勝因だろう。

 中野も村山に負けじと力投を続け、指宿商打線も好投の村山をなかなか援護できなかったが、12回表一死から1番・久永 洋輔(1年)の当たりがライトのエラーを誘い、2番・上吹 越凌(2年)が左中間に、3番・内村 和平(2年)がライト線に、連続二塁打を放ち、待望の先制点を村山にプレゼントした。

(文=政 純一郎)