大成vs都立大森 積極的な打撃と走塁!大成14得点大勝!
好投を見せる三島(大成)
今年の東京都秋季ブロック予選は早い。8月30日が開幕である。真夏のような気候で行われた大成対都立大森は初回から動く。1番林 遊之介(2年)の中前安打、外野手の隙をついて一気に二塁へ。2番関口の四球で無死一、二塁となり、3番佐藤 凌太(2年)の犠打で一死二、三塁のチャンス。大成高校として4番池上 輝(2年)の前にランナーを貯める理想の形ができた。池上は三ゴロに倒れ、三塁走者がアウトになり、挟殺プレーの間に二死二、三塁となり、5番石井の2点適時打で2点を先制する。なおも二死満塁と攻めるが、無得点。突き放せそうで、突き放せなかった1回表の攻撃であった。
追う都立大森は6番石川がレフト線を破る二塁打を放ち、7番亀井 義樹(2年)の右前安打で、一死二、三塁として、8番當間 俊介(1年)の右中間を破る二塁打を放ち、2対2の同点に追いつく。大成の五島徹也監督にとっては予想できていた展開だったようだ。 「1回表に二死満塁のチャンスで、突き放せなかったじゃないですか。あれで相手に勢いを与えてしまいました」
先制したとはいえ、突き放すことができなかったことが反省点。野球はこういった流れは重要で、、2点ならば取り返せるという心境になり、3点、4点、5点となれば、都立大森側の心境も違ったであろう。都立大森は下位打線から2点を取った。なかなか手強いチームであると思う。
大成は都立大森の先発・國井 雄太(1年)をなかなか打ち崩せずにいたが、4回表、二死満塁のチャンス。ここで先ほど2点適時打を放った石井。石井は高めに入るボールをドンピシャのタイミングで捉え、鋭い打球が左中間を破った。一気に三者が生還し、5対2と勝ち越し。さらに6番篠田 殊輝(2年)も左超えの三塁打を放ち、6対2とする。6回表、二死二塁から7番岡部 瑛仁(2年)が右中間を破る三塁打を放ち、さらに1点を追加し、7対2。8番佐藤巧が右前適時打を放ち、8対2。大成は8得点を奪い先発の國井を降板させる。
大成の先発・三島 社太(2年)。左腕から癖球と変化球を駆使し、好投。練習試合ではチームの勝ち頭で、結果が認められ、エースナンバーとなった。味方の援護もあり、三島は尻上がりにキレのある変化球が決まっていた。
得点を入れて沸く大成ナイン
8回表、大成は四球で出塁した池上をランナーにおいて二死一塁から6番篠田が右中間を破る三塁打を放ち、9対2。8回裏に1点を失うが、9回表、一死二、三塁から2番関口の中前適時打、3番佐藤の左前適時打、2点を追加し、4番池上が左中間を破る二塁打で、2点を追加し、13対3。さらに二死二塁から6番篠田が適時打を放ち、14対4とした。この回に4番池上の適時打。待望の4番の一打だった。
「池上の前にランナーを溜めてこれで池上で還すのがパターンなのですが、なかなか打てませんでしたが、ようやく1本が出ましたね」待望としていた主軸の一打に五島監督も安堵していた様子であった。投手陣では8回途中まで3失点の三島、2番手の村井、9回から登板した3番手の竹内 優貴雄(2年)のリレーで14対3で都立大森を下した。
今年の大成。しっかりと振ろうとする選手が多く、打球自体はなかなか力強い。まだ体が出来上がっていない秋の段階で、これほどの打球が打てるのはなかなか良い。最近の練習試合で好調で、1番を打つ林が4安打。左打ちからセンターからレフト方向に強い打球を打つことができる選手だ。前のチームから出場している選手だが、打撃は打球の方向性が広がり、1番打者として走塁にも積極性が出てきた。
5打点の石井は腕っ節の強さを生かし、鋭く振ることができる選手。6番篠田も6番ながらも力強い打球を飛ばすことができる選手。最初はタイミングがうまく取れていなかったが、後半以降から力強い打球を飛ばすことができていた。また外野を抜けてから積極的に次の塁を狙う姿勢も良い。この方向性のまま伸びていけば、かなり打のチームになっていきそうだ。だが五島監督は「残塁が多くて、無駄な攻撃が多かったですね。残塁は10を超えているんじゃないですか。次の戦いまで修正するためにすぐに学校に帰って練習します」 残塁は11。確かに多い数字だ。五島監督が自ら運転手となって大成のバスを運転し、練習場に戻った。監督含め選手たちの目線は次の戦いへ向かっていた。
(文:河嶋 宗一)