濃い色がウォールナッツ材(くるみ)、淡い色がメープル材(かえで)です。一番手前のはまた違う木らしいのですが、今回はその木は選べないそうです。
今のところ、ウォールナッツ材の方がよく売れているとのこと。

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登場したときにこれはすごい! と話題になったOreeの木のキーボード。フランスの会社なのですが、ただいま世界の主要都市でリアル店舗「Oree Popup Workshop」ツアーをやっています。その第一歩として東銀座の「LEAGUE Ginza 502号室」にてリアル店舗を7月7日までオープンしているとのことで、行ってきました。

この製品を初めて知った人に向けて説明いたしますと、一つ一つ職人が丁寧に作った木製のキーボードです。一枚板から作り、くりぬいたものをそのままキーにするので、木目の模様が美しく上から見ると板のようにつながっていて、また同じものが一つとして無い物になるのですね。Windows用とMac用とがあり、それぞれレーザープリンタで刻印する日本語レイアウト、英語レイアウトを選ぶことができます。BluetoothでWindowsやMacや各種タブレットと接続することができ、単四電池2本で動作します。普段はOreeのページからオンライン通販で購入することができます。

今回のリアル店舗の何がいいかといって、実際に試して打てるところでしょう。決して安いキーボードではないため、通販して届いたら自分の思っていた感触と違っていたということを避けたいところです。実店舗にはたくさんのサンプルが並んでいますので、心ゆくまで試し打ちをすることができます。また、iPadやiPad mini、Surfaceなども置いてありますので、実際にタブレットと合わせて使うシーンを想定することができるようにもなっていました。

材質はメープル材とウォールナット材の2種類から選ぶことができます。これが壁にずらーっと並んでいるのですね。木によって表情が違いますから、気に入る木目のキーボードを探すことができます。タブレット置きにもなるケース(別売り)との相性を調べたりすることもできます。

材質を選んだら、次は刻印するフォントです。実際に刻印された見本があるので、それを参考に3種類のフォントから選びましょう。

さらにキーボードの左上に刻印するカスタムテーマか、記入する文字を決めるといよいよ刻印です。リアル店舗ではレーザープリンタがあるので、その場で刻印をしてくれます。オンライン通販だと5〜6週間かかるところが、30分ほどで作業が終わり受け取れるのです。ちなみに支払いは現金だと2万円(ケースは4000円)ですが、クレジットカードだとユーロ計算になるので、だいたい同じ値段ではあるけれども為替によっては多少上下するかもしれないとのこと。

実際に触ってみた感想としては、木の感触がとてもいいです。木の厚みがある分、ちょっとだけMac純正キーボードに比べると背が高いような印象も受けました。若干気になったのは、各キーの縁が少し角張っているような感じだったことでしょうか。真ん中を叩けば問題無いのですが、少しずれたときに指に当たる感触です。

それとキーボードのキーレイアウトそのものは一つなので、日本語JIS配列を愛用している人は少し注意が必要でしょうか。Enterキーの形状が違うとか、かなキーや無変換キーが無い点とかは、人によっては致命的かもしれません。

あと気になったのが、電池の入れ替えです。裏の蓋のところをマイナスドライバーで3カ所のネジを開けて交換するそうです。アルカリ単四電池2本で3ヶ月は保つとのことなので、そう頻度は多くは無いのですが、ちょっと面倒かもしれないと思います。

でもそれらを補ってあまりある魅力もあります。このキーボードは木でできているので当たり前なのですが、経年変化します。と言っても縮むとか割れるとかじゃなく、使い込んだ革製品のようにどんどんと味が出てくるのですね。この、愛用品を育てていくという考えに実に弱いんですよ。ちなみに汚れそのものは、透明なニスで薄くコーティングされているのであまりつかないそうです。

というわけで、前から気になっていた人、この記事で知って気になった人はいい機会なので東銀座のリアル店舗に触りに行ってみてはいかがでしょうか。
(杉村 啓)