/最新のヴロニプラークシステムを使えば、過去の論文などの盗用が一発で暴き出される。図像や音楽についても、いずれ同様。それも電子図書化で、数十年、数百年も前のパクリまで、すべて世間にさらされることになる。/

 9日、ドイツのメルケル首相の側近シャヴァン教育研究相がクビになった。理由は、33年も前の学位論文における盗用疑惑。彼女だけではない。2011年3月には、グッテンベルクお坊ちゃま国防大臣も、同じ理由で辞めさせられて、米国に逃げてしまっている。この調子で、政治家たちが次々に討ち取られている。

 重要なのは、その発覚の原因だ。ウィキペディアの中心として有名なジミー・ウェールズなんかが剽窃発見器を作っちまったこと。ヴロニプラーク・ウィキと言う。論文をぶち込むと、あらすごい、たちどころに既存の論文や書籍との平行箇所を洗い出し、DNA鑑定のようにバーコードで表示して、盗用疑惑率をはじき出してくれる。まあ、専門の学者なら、こいつ、怪しいな、と思うやつを見かけたことはあるだろうが、よほど個人的な恨みでもなければ、いちいち手間をかけて検証したりしない。だが、このヴロニプラークを使えば、一発でわかる。

 このシステムは、もともとバイロイト大学のアイディアで、現行稼働はドイツ語と英語だけだが、すぐにほとんどすべての言語で使えるようになるだろう。ドイツではとくに社会的地位に学位が必須であるために、まずは著名政治家が狙い撃ちになっているが、遠からず世界中の一般の研究者の論文もすべて精査される。当然、小説やエッセイ、ノンフィクションなども。それも、新規の著作だけではない。スキャナーOCRや電子図書化の発達で、数十年、数百年も昔の盗用が暴き出されることになる。

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