組織変革の意味/今野 誠一
「組織変革」という言葉の意味するところは、多岐に渡っているが、最も重要なことは…


「組織変革」という言葉の意味するところは、多岐に渡っているが、最も重要なことは、
「世の中の変化に柔軟に対応できる組織に変えていく」ということだと考える。

長い間に、構成メンバーは気心の知れた人ばかりとなり、
仕事の内容も決まった手順で処理していくオペレーション(いわゆる”回していく”)業務が
中心になっていく。
次第に思考のパターンは硬直化し、周囲の変化に対する感受性はにぶりがちになる。

あらゆるものを刷新の対象として、今を回す視点から、
将来を予測し未来価値を軸にした視点へと組織内の焦点を変えていく必要がある。

二つ目には、社内の特に管理職のものの見方考え方を、
BAD&NOからGOOD&MOREへと変換させる必要がある。

BAD&NOとは、課題中心の考え方。
あれも駄目、これも駄目と社内の各分野のうまくいっていない点を整理し
解決を志向していく考え方。

それに対してGOOD&MOREは、まずはうまくいっていることに着目し、
その理由を明らかにし、それを源泉にもっとうまくやっていくには
どうしたらいいかを共に考えるというスタンス。

「変革」という二文字から来るニュアンスから、
どうしても変えなくてはならないことに意識と目がいき、
うまくいっていないこと、課題を解決することに思考は費やされてしまう。
それがかえって悪循環となってスパイラル上に落ちていく例も少なくないのである。

三つ目は、社内の隅々に渡って、
経営戦略、事業戦略などの「戦略」について理解し行動していく
「戦略志向」の風土に変えていくということ。

上層部だけが戦略を考え、現場はそれを実行するという役割分担は
分業体制としていいように見えて、大きな危険をはらんでいる。

言うまでもなく、生の顧客情報や市場の変化の兆しなどに直接触れているのは
現場の社員達であり、往々にして上層部は生の情報に疎いものである。

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