フットサル日本代表のW杯壮行試合が行われ、代々木でのブラジル戦は3─3のドロー、旭川でのウクライナ戦は3─1で快勝した。ウクライナ戦ではカズが初ゴールをあげ、ニュースとしての価値も跳ね上がったね。
 
今回の2試合は、大成功だった。しかしそれは、あくまで一発のイベントとして、だ。カズの活躍にケチをつけるつもりはないけど、理念よりも興行を優先した今回のフットサルW杯に関して、僕には協会のビジョンが見えない。
 
フットサルに興味のなかった人に振り向いてもらう、あるアイコンを通してフットサルの魅力が伝われば、という人がいるけど、今まで何度そういうことを繰り返してきたのだろう。会場にアイドルを呼ぶバレーボールがいい例だよね。理念がないと、一発の打ち上げ花火で終わってしまう。一番大切なところをおろそかにしてはいけないよ。
 
そもそも、フットサル日本代表だけが盛り上がってもしょうがないのだ。Fリーグが活性化されないことには意味がないよ。今回、フットサルW杯は地上波で放映され、まさに興行として最高の形になるわけだけど、そのお金が入るのはFリーグではなくて協会だ。それが成功でいいのかな。
 
一方で、JリーグとFリーグのコラボレーションというのは、今後可能性のある方法論だと思う。時々、闘莉王が名古屋オーシャンズの試合に出たり、遠藤保仁がどこかのチームでプレーしたり、といったことが行われれば、それはそれでおもしろい。

登録の問題、スケジュールの問題、ギャランティの問題と、ハードルは多岐に渡るけど、協会がしっかりとした目的を持って、横断的に動けば決して不可能ではないよね。カズフィーバーから何を生み出すか。そこは期待しているよ。