/いまの経営者は、若い頃のマルクス主義が抜けず、その付加価値図式で戦線拡大と企業縮小しか思いつかない。だが、新機能や新商品は、生活にとって付加価値が無い。世界は、戦後日本と同じ。少ない部品、壊れない製品をめざした初心こそが大切だ。/

リストラすべきは大企業の経営者だ。団塊世代の連中は、若い頃に大学でマルクス主義経済学に染まり、いまだに間違った価値観を信奉している。だから、いくら従業員数を縮減したって、収支均衡には至らず、経営も回復しない。そもそもリストラというのは、従業員をクビにすることではなく、同じ従業員で企業や製品の方向性を組み直すこと。従業員をクビにしてすることしかできない経営者こそ、もっとも無能な企業の宿痾。

 連中の腐った頭の中にあるのは、マルクスが提唱した貨幣G→商品W→貨幣G’の図式。このG’は、労働力を投入している以上、Gより大きいはず。つまり、G+△Gで、△Gが付加価値。ところが、G’がGより減ってしまっているのが現実。そこで、この図式を信奉する連中は、二つの方法しか考えつかない。すなわち、第一は、G→Wにおいて、わけのわからない新機能を開発して商品の付加価値にする。第二は、G→G’において、間のWが変わらないので、Gの方を削減し、むりやり企業の付加価値を捻出する。これが、連中の言うリストラだ。

 しかし、そもそもG→W→G’なんていう図式自体が、経済成長期にしか成り立たない空理空論。いちばんの問題は、ムダなことに労働力を投入していること。受験生が勉強もせずに合格祈願に日参しているような状態。旧ソ連が左右の揃わない長靴を大量に生産して破綻したのと同じ。作れば売れるという時代では無い。いまの経営者が考えているような商品の高機能付加価値など、左右の揃わない、作っただけの長靴のようなもの。

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