社会で活躍できる人財はどんな人なのか、竹中平蔵さんに聞いてまいりました。

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大企業の倒産やリストラのニュースにも驚かなくなってしまった今日このごろ。この不況下にあって会社での評価もイマイチ、仕事のやりがいや目標を見失っている人も少なくないのでは。

有名大学に入って一流企業へ就職、という王道ルートもくずれつつあり、なにかと明るい見通しの持ちにくいこの時代。これからの社会で活躍できるのって、いったいどんな人なんだろう?

そのヒントになりそうなのが、大手予備校「早稲田塾」の「次世代のリーダー育成プログラム」。最先端の遺伝子工学を研究する「スーパー バイオサイエンス プログラム」、ロボット製作に取り組む「スーパー ロボティクス プログラム」など予備校とは思えないユニークな授業が目白押し。実はこれ、未来の日本を担う人材をつくるための特別プログラムなのだ。

なかでも目玉は今年5月からスタートする「竹中平蔵 世界塾」。なんと、あの竹中平蔵氏(慶應義塾大学教授)が直接指導にあたり、世界的な人材を育成するのだという。今回はその竹中氏にインタビューを敢行。社会で活躍するために必要な条件を教えていただいた。

■ そもそも、働く理由って?
「私たち人間は社会的な存在です。社会のなかでしか生きられない。個人と社会の接点はなにかというと、仕事です。“私は〜をしたい、〜になりたい”というのは、やっぱり仕事。自己実現と同時にお金を得て、経済的に自立するわけです。いい仕事をすることは、いい人生を生きるということ。いい仕事すれば社会も発展します」

■ いい仕事をするために必要なことは?
「どういう活躍をするかによって必要な条件やスキルは多様ですが、根底にあるのは自分が実現したいことを実現するという自立の精神。高い目標をもってひたすら歩む姿勢です」
もちろん、最低限の英語や教養、知的なマナーは必要。ほかにも、勤勉さや明るさなど共通して挙げられる要件はいろいろあるが、どれも努力次第で身につくものだという。

逆にいえば、単に有名大学を出ただけではダメなのだ。
「いままでのようにわりと画一的なことをやって、大学のブランドでやっていく時代では明らかになくなっています。日本は授業料を安くし、大学を大衆化したことで、多くの人が大学に行けるようになった。それはすばらしいことだけれど、本来教育というのは手間暇かかるしお金もかかる。もっと多様なかたちの教育を認めなければならない時代になったと思うんです」

最近は海外に興味がない内向き志向の若者も多いが、竹中氏いわく、グローバル化はチョイス(選択)ではなくファクト(事実)。
「何もしなければいまのままは維持できない、貧しくなる時代です」
というからキビシイ。

そんな時代においては、自分が何になりたいか、何をしたいかを真剣に考え、明確にすることが大切だそう。
「ここ何年もの間、総理大臣たちが“この人は何をやりたいのかわからない”と批判されている。でも、これは政治家だけのことではないと思うんです」
うーん、耳がいたい人も多いかも。

■ 最後に高校生にメッセージをいただいた。
「うらやましいと思う。これからなんにでもなれる。たくさんの時間、可能性を持っている。それをつぶす自由もあるけれど、せっかくなら素晴らしく活かしてほしい」
ちなみに「世界塾」に参加するには選抜審査があるが、意欲ある高校生なら挑戦してみる価値は大きい。

ちょうどこの春から早稲田塾では「新・スカラシップ特典」も実施。年間平常授業料が新高校1年生は50%オフ、新高校2年生は25%オフになるとのこと(申込は4月29日まで)。

これからは本気で世界と日本のことを考えられるグローバルリーダーが活躍する時代。そんな人材に必要なのは、単純な高学歴ではなく、中身のある多様な教育。「世界塾」のような試みも、岐路に立つ日本の教育を変えるひとつのきっかけになりそうだ。
(エキサイトニュース編集部)