カルシウムの摂取も大切ですね(写真はイメージです)。

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「タンスの角にぶつけて、足の小指を骨折した」なんて話をときどき聞くもの。
でも、足の小指をぶつけるといつでも痛いだけに、「うわ〜骨折した〜!」なんて本人は大騒ぎで、周囲には「大袈裟な……」と冷ややかな目で見られがち。
そもそもタンスや壁にぶつけただけで、足の小指を骨折なんて、あるのだろうか。

そんな疑問をかねてより抱き、整体師さんに尋ねたことがあるのだが、回答はこうだった。
「足の小指を折ったという話はよく聞きますよ。骨折は場所によって気づきにくいこともあり、足の小指などはいつぶつけても痛いだけに『こんなもん』と思ってしまう人が多いんです。骨は自然と形成されるので、そのまま治っていくこともありますが、お医者さんでズレた骨の角度を直してもらわないと、自然治癒では曲がったまま、ズレた角度のまま形成されてしまうことがあるんですよ」
そして、先日、それが「ホントにある」ことをしみじみ痛感する出来事があった。

小学生の娘が、家の壁に足をぶつけただけで号泣し、みるみる腫れてきたので、不思議に思って夜間診療で診てもらったところ、小指の成長線(骨端線)という軟骨部分を骨折していたのである。
救急医には「足の小指の骨折は意外とよくあるんですよ」と説明され、テーピングしてもらい、痛み止めをもらって、後日近所の整形外科などを受診することを勧められた。
だが、近所の外科兼整形外科の先生の見立てでは「子どもの場合は、多少遠くても、専門の整形外科に診てもらったほうが良いですよ。成長線を損傷していると、曲がってしまう可能性もあるから、炎症がひいてから麻酔して戻すことになると思います」という。
そこで、整形外科専門の先生に診てもらったところ、「骨が曲がってくっつき始めている」という理由から、全身麻酔で手術&入院という大ごとになってしまった。

子どもの場合、回復が早いだけに、早めの処置をしないと、曲がってくっついてしまったり、後遺症が出る危険性もあるのだという。
適切な処置のおかげで、娘は手術の翌日退院、数日後にはギプスが、9日後には松葉杖もとれて、現在は順調に回復している。
「骨折後すぐに、救急で整形外科専門医がいるところまで連れて行き、骨を戻していたら、手術しないで済んだかも」という思いはあったが、調べてみると、「足の小指の骨折」の処置は、「自力で治した」という人もいれば、「医者に行ったけど、テープで巻いただけで家にかえされた」という人、娘と同じく「手術してピンを入れて固定した」という人もいて、骨折の仕方や医師の見立てによって、処置がかなり異なってくるらしい。
ちなみに、「腫れてなかったのに、骨折していた」という人もいるので、注意が必要だ。

足の小指をぶつけたら、痛いのは当然。でも、「いつもと違う痛さ」だったら、甘く見ずに、特に子どもの場合は早めの受診をオススメします。
(田幸和歌子)