『ガラスの仮面』裏表紙が始めた小さな工夫
2月25日に最新刊が発売されたばかりの『ガラスの仮面』。
帯には、劇団ひとりが伝説の名場面を単独完全再現しているというキョーレツな写真が印刷され、人目をひく。だが、それとは別に、裏表紙のカバーの小さな部分がどうにも気になってしまった。
それは、「収録作品」としてあらすじが書かれた最後に記された「2012年3月発行」という文字だ。
こんなの、以前からあったっけ?
我が家には『ガラスの仮面』が全巻あるけれど、昔のものを見てみると、発行年月は裏表紙に記されていない。どうやら途中から始まったことのようである。
『ガラスの仮面』に限らず、今は多くの書店でコミックにはビニールパック(シュリンク包装)がかけられているため、中身が見られない。表紙と巻数で「これ、もう読んだっけ?」と考えつつ、購入して帰ると、家にすでにあった……なんて経験をしたことがある人は多いのではないだろうか。
まして『ガラスの仮面』のような超長期連載となると、最新刊の表紙を見ても「家にあるような、ないような……」と曖昧になってくることは多い。
ちなみに、他の花とゆめCOMICSもいろいろ見てみたところ、裏表紙のカバーに発行年月が記されたものは見当たらなかった。
これって超長期連載の『ガラスの仮面』ならではの工夫なのだろうか。
白泉社の『ガラスの仮面』担当者に聞いてみた。
「今はある程度、定期的に新刊が出ていますが、以前は間がけっこうあいてしまっていたので、書店で最新巻が出ても、それが最新かどうかわからないということがありました。そこで、カバー裏に日付を入れるようになったんです。これは『ガラスの仮面』のみで、他ではやっていないと思います」
カバーの裏に発行年月が入るようになったのは、42巻からだそう。
「帯がついている場合は、帯にも発行年月が入れられるのですが、この巻はたまたま帯がついていなかったので、カバー裏につけたという経緯だったと思います」
書店にぶらりと立ち寄った際、最新刊が出ていることにすぐ気づかないケースがある他に、発売日をチェックしている場合でも、新刊が売り切れてしまっているときなどは、間違えて既刊を購入してしまうことだってある。
書店員さんに聞けば、発売された時期を調べてくれたり、パックをはがして中身を確認させてくれるけれど、そのひと手間を省いたがために「ダブりのコミック」を購入してしまうことは案外多いのだ。
裏表紙のカバーの日付という小さな小さな工夫。見た目はあまり美しくない気もするけれど、ダブり購入を避けるために、休みがちな漫画家さんや長期連載のマンガにはぜひ取り入れてほしいです。
(田幸和歌子)
帯には、劇団ひとりが伝説の名場面を単独完全再現しているというキョーレツな写真が印刷され、人目をひく。だが、それとは別に、裏表紙のカバーの小さな部分がどうにも気になってしまった。
それは、「収録作品」としてあらすじが書かれた最後に記された「2012年3月発行」という文字だ。
こんなの、以前からあったっけ?
我が家には『ガラスの仮面』が全巻あるけれど、昔のものを見てみると、発行年月は裏表紙に記されていない。どうやら途中から始まったことのようである。
『ガラスの仮面』に限らず、今は多くの書店でコミックにはビニールパック(シュリンク包装)がかけられているため、中身が見られない。表紙と巻数で「これ、もう読んだっけ?」と考えつつ、購入して帰ると、家にすでにあった……なんて経験をしたことがある人は多いのではないだろうか。
ちなみに、他の花とゆめCOMICSもいろいろ見てみたところ、裏表紙のカバーに発行年月が記されたものは見当たらなかった。
これって超長期連載の『ガラスの仮面』ならではの工夫なのだろうか。
白泉社の『ガラスの仮面』担当者に聞いてみた。
「今はある程度、定期的に新刊が出ていますが、以前は間がけっこうあいてしまっていたので、書店で最新巻が出ても、それが最新かどうかわからないということがありました。そこで、カバー裏に日付を入れるようになったんです。これは『ガラスの仮面』のみで、他ではやっていないと思います」
カバーの裏に発行年月が入るようになったのは、42巻からだそう。
「帯がついている場合は、帯にも発行年月が入れられるのですが、この巻はたまたま帯がついていなかったので、カバー裏につけたという経緯だったと思います」
書店にぶらりと立ち寄った際、最新刊が出ていることにすぐ気づかないケースがある他に、発売日をチェックしている場合でも、新刊が売り切れてしまっているときなどは、間違えて既刊を購入してしまうことだってある。
書店員さんに聞けば、発売された時期を調べてくれたり、パックをはがして中身を確認させてくれるけれど、そのひと手間を省いたがために「ダブりのコミック」を購入してしまうことは案外多いのだ。
裏表紙のカバーの日付という小さな小さな工夫。見た目はあまり美しくない気もするけれど、ダブり購入を避けるために、休みがちな漫画家さんや長期連載のマンガにはぜひ取り入れてほしいです。
(田幸和歌子)