アイスにわさびを塗って食べ、わさびが無くなったらまた塗る……、を繰り返すのがオススメの食べ方。

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アイスクリームには目が無い。甘いものが好きだから! ……ただ、世間は広い。私はアイスの、それこそ僅かな魅力にしか気付いていなかったようだ。今は、こんなのがある。「うめや本舗」(京都府京丹後市)が開発し、昨年の11月より販売しているのは、その名も『わさびで食べる醤油アイス』。

“醤油アイス”というのは聞いたことがある。わさびを付けて楽しむアイスもあるらしい。しかし、その二要素を兼ね備えた新アイスだ。これはもう、収拾がつかないのではないか……?

そして、このアイスが出来上がったあらすじについて。単に「“醤油アイス”と“わさび付けアイス”の特徴を合わせてしまおう!」という、単純な動機じゃない。そこには、長い紆余曲折があった。
「私は趣味で釣りをよくするんですが、青物魚(鰤、ハマチなど)に合う『ブラック鰤醤油』を知人のお醤油屋に作ってもらったんです」(同社・梅田代表)
これが、大成功。青物魚には合うし、そしてわさびにもピッタリ。そんな醤油が、めでたく出来上がったそうなのだ。

この『ブラック鰤醤油』の出来栄えには、梅田代表も満足している。
「どうしても素材に勝ってしまう醤油は多いですが、『ブラック鰤醤油』は素材を活かします。事実、私の仲間でこの醤油のファンになったキャンディ屋がいたので、この醤油で今度はシャーベットを作ってもらったんです」(梅田代表)
しかし、これが美味くなかった。「ダメだ、これは……」と却下しようとも思ったが、最後に試しにわさびを付けてみると……。これが大逆転! いきなり、美味しくなってしまったという。

ここから、話は急展開する。アイスクリーム工房に『ブラック鰤醤油』を持って行ったのだ。それを工房のアイスクリームにかけると、ここでもやはり好評を獲得。また、この状態でわさびを塗ると、やっぱり美味しかった。
「ネットで調べたら、既に“醤油アイス”も“わさび付けアイス”もありました。しかし、“醤油アイス”にわさびを付けて楽しむ食べ方は、まだ存在してなかったんです」(梅田代表)
そこで、同社は胸を張って『わさびで食べる醤油アイス』の発売に踏み切る!

ところで、これってどんな味?
「実は私、アイスが苦手なんですね。口の中で甘ったるさが残るのが、イヤなんです。でも、これだとスッキリするんです。飲み物もいりません。もう、毎日のように食べてますよ」(梅田代表)
本当ですか! 私はアイス大好きなんだけど、そんな人間にも合うのかな……?

物は、試しだ。早速、『わさびで食べる醤油アイス』を取り寄せてみました! 食べ方としては、アイスにわさびを塗って、わさびが無くなったらまた塗る……の繰り返しらしい。当然、わさびの量によって味も変わっていくとのこと。

そして、数日後。ハイ、我が家に『わさびで食べる醤油アイス』が到着しましたよ。このアイスのふたを開けると、少し薄茶色のようだ。これぞ、醤油の色なのだろう。
では、まずはわさび抜きで食べさせてください! ……うん、ウマい(笑)。醤油のしょっぱさもあるが、ここにお馴染みのアイスの甘さが絡まる。アイスの甘みを愛する人たちと、醤油の旨みを愛する人たち。両者にアピールするに違いない。

本当は、ここで終わりたいのが……。だけど、せっかくの初体験。それに、ご丁寧にわさびは付属されている。行きますよ? アイスにわさびを塗って、パクッ! ……あぁ、いいねえ(笑)。これは、これでアリ。醤油アイス“しょっぱさ”とわさびの“辛さ”が融合したと言うより、共存している感じ。両方のテイストが、同時に楽しめるアイス。
例えば、これは居酒屋でいただくといいかも。飲みの席、飲んべえの前でアイスを食べてばっかりで注意された経験が私にはあるのだが、これならみんなも認めてくれるはず。
「和食や会席料理のデザート、前菜、途中の箸休めとしての一品にも試していただきたいです」(梅田代表)
食後、口内に不思議な清涼感が漂うのも、このアイスの特徴だろう。

そんな『わさびで食べる醤油アイス』の価格は、100mlカップで420円(税込み)、2L徳用容器入りで3,990円(税込み)。同社のホームページにて購入することができるという。

「これは“名前受け”を狙ったものではなく、本当に相性が良かったから出来上がったアイスです!」(梅田代表)
ええ、わかりますとも! 「アイスが苦手」って人がいるのなら、騙されたと思って試してみるといいかもしれませんよ?
(寺西ジャジューカ)