多くの企業が流行のように取り組む、ビジョンや理念の策定。若手社員は、それをどう思っているのだろうか?

得票率は6:4だったが、大阪の街に漂う雰囲気は投票日のかなり前から、橋下さんの圧勝であった。その雰囲気に対し、多くの関西の自治体の長や経済団体・業界団体のトップたちがネガティブなニュアンスで述べていたのは、「組織を変えたいだけで、何をしたいのか分からない」「仕組みより、ビジョンや戦略を語れ」といったことである。

確かに、掲げている大阪都構想は組織や仕組みの話であり、どのような大阪を目指すかではない。それに対して橋下さんは、組織や仕組みが今のままでは、どのような大阪を目指そうともそれを実現できないと反論した。つまり、橋下VS平松陣営という選挙は、組織や仕組みが先か、ビジョンや戦略が先か、という戦いであったと思う。

「組織は戦略に従う」という言葉がある。まず、実現したいことやそのための戦略があり、次に、組織をそれに則って組み立てるべきであって、現状の組織を前提として目標や方法を考えるべきではない、という主張で、確かに正論だ。

しかしながら、対立候補が「組織論が先だと言う橋下氏は間違っている」と責めたのはおかしな話で、戦略や目標を立てたけれども、組織を温存した結果、目標が達成されなかった(口だけ、言っただけ)という大阪の歴史に対する反省がないのである。橋下さんは、戦略は組織に限定されてしまうと言っており、そちらの方が歴史を振り返れば的を射ていたと言えるだろう。


続きはこちら