ガンマカメラってどんなカメラなんだろう?【デジ通】
さる8月1日。東京電力福島第1原発1、2号機の原子炉建屋の西側にある排気塔下部の配管付近で、毎時10シーベルト(1万ミリシーベルト)以上の高い放射線量が計測されたと報道があった。翌2日、その状況を示す写真(下の写真)が公開された。その時利用されたのが、ガンマカメラと呼ばれる特殊なカメラだった。■公開された写真
ここで紹介した写真が、東京電力より公開された写真だ。島原発1、2号機原子炉建屋西側の排気塔下部で、高い放射線量を計測したというガンマカメラの画像だ(東京電力提)。放射線量が高いほど、黄色から赤へを変化しており、周辺より放射線量の高いことがわかる。
(写真提供:東京電力)
■ガンマカメラとは
本来、ガンマカメラというのは医学用に開発されたもので、体内から放出されたガンマ線を感知し、コンピュータで画像処理する装置だ。福島原発で利用されているガンマカメラは、この原理を応用したもので、放射線の一種であるガンマ線の強さを、分布図として画像で表すことができる。その分布を画像処理したものが、上で紹介した画像だ。
下の写真は、実際に福島第一原発で利用されているガンマカメラだ。リモコン操作によって移動しながら撮影できる。
(写真提供:東京電力)
■核医学という分野
ガンマカメラについて調べていて初めて知ったのだが、医学には「核医学」という分野がある。放射性同位元素などを利用し、人など生体内での挙動を追跡し、その情報を診断や治療に利用するという分野だ。
たとえば、現在私たちが利用しているX線やMRIなどから得られる画像データを「形態画像」と呼ぶらしいが、これでは代謝や血流といった生理的、生化学的な情報が得られないというのだ。しかし、核医学を利用した診断装置では、形態画像では得られ内容が情報を画像として得ることができるようになるという。この画像を「機能画像」といういが、治療方針の決定や治療効果の確認にとても有効なのだという。
最近、ガンの診断に利用する装置としてPET(ペット:Positron Emission Tomography)などが利用されていると耳にするが、これなどが核医学を利用した診断装置だ。
もちろん、核医学検査では放射性同位元素などを体内に投与するため、体内被ばくの問題がある。しかし、検査用の投与量は微量で半減期も短いため、被ばく線量はX線と同じ程度だという。
福島原発の事故は、節電をはじめ、被ばくなどこれまであまり気に掛けなかったことを知るようになり、当てにならない政府や企業からの報道ではなく、自分たちの手と足で情報を集めることがいかに重要かを実感させてくれた。
こうしたことを含め、今後も、できる限り被災地や被災者への支援、援助を続けていきたい。
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「原発事故があったから」は単純 電力不足問題は存在するのか
防水ビデオカメラだったら節電はどうなったのか…
阿部信行 @ramunepapa [digi2(デジ通)]
digi2は「デジタル通」の略です。現在のデジタル機器は使いこなしが難しくなっています。
皆さんがデジタル機器の「通」に近づくための情報を、皆さんよりすこし通な執筆陣が提供します。
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(写真提供:東京電力)
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下の写真は、実際に福島第一原発で利用されているガンマカメラだ。リモコン操作によって移動しながら撮影できる。
(写真提供:東京電力)
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もちろん、核医学検査では放射性同位元素などを体内に投与するため、体内被ばくの問題がある。しかし、検査用の投与量は微量で半減期も短いため、被ばく線量はX線と同じ程度だという。
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