園児



家電チャンネルではGM管式に限らず、広く放射線測定器の情報をお届けしている。以前、簡易測定器で土壌汚染を計測する際の注意点を簡単に挙げたが、やはり民間の専門業者に土を持ち込むのが正確さを期する上では最善の方法だ。条件により異なるが、一箇所につき4万円前後かかるため敷居が高いと感じるかもしれない。しかし、有志の保護者を募れば一人あたり数千円台で検査結果を手にすることも可能だ。すでに食べ物の選び方などで、似たような危機感を共有している保護者どうし、声をかけあってみてはどうだろうか。■検査に使う機器のグレードや過去の業績に注目して業者を選定
福島の原発事故以降、土壌調査の業務に新規参入した業者が多いようだ。最も慎重な立ち位置でのぞむならば、2011年以前から着実に実績を積み上げている業者を選びたい。さらに、検査に使用される機器のグレードによって精度がかなり異なることは、今までの簡易測定器に関する記事からも類推できよう。現状ではゲルマニウム半導体検出器によるガンマ線核種分析が高い評価を得ている。

なお、土は自分で採取して業者に送るので、地元に近い業者である必要はまったくない。たとえば東京23区内の幼稚園園庭の土壌調査を、広島の業者に依頼した実例があるので、問い合わせは広めにあたってみるのがよい。ちなみに業者に出張してもらい、テレビでよく見かける長い筒で土壌を採取する方法は、一箇所につきさらに約4万円費用がかかる。データの厳密な公平性を要するうえに予算が許すのならば、その方法を検討してもいいだろう。一方、自分たちで表土1kgを採取するメリットは、実際に我が子が触れる範囲の土について知ることと言えよう。

検査結果については、ひとことで「全部で何ベクレル」と言い切るよりも、以下のように各種ごとの数値を付け加えて議論することが大切だ。
ヨウ素131 不検出
セシウム134 489Bq/kg
セシウム137 542Bq/kg
数値だけでなく、すべて客観的事実にもとづき、園や自治体、政府、電力会社などに粛々と対処を求めていこう。ちなみに上の数字は、大樹や畑に恵まれた目黒区のとある幼稚園の実測値だ。園に表土を削って入れ替えるような予算はない。実際に手にした数値を今後どこに訴求していくべきか、安全を追求する保護者の取り組みは始まったばかりだ。


ゲルマニウム半導体検出器によるガンマ線核種分析 中外テクノス株式会社



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(MIYUKI KOMATSU)


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