前回の更新で日本代表の平均年齢に触れたが、代表の土台であるJリーグはどうだろう。高齢化が進んでいるのか、それとも低年齢化へ向かっているのか。J1各クラブの平均年齢を洗い出してみた。

全18チームのちょうど半分にあたる9チームが、平均年齢26歳台で構成されている。26歳と言えば1985年生まれで、いわゆる北京五輪世代にあたる。先のアジアカップの代表では、伊野波雅彦、本田拓也（いずれも鹿島）、李忠成（広島）らが該当する。

また、平均年齢が24歳台のチームは3つ、25歳台のチームは5つある。こちらも北京世代だ。本田圭佑や長友佑都らが躍動する代表と同じように、Jリーグ各チームでも北京世代が存在感を増していることがうかがえる。

平均年齢が24〜26歳台でない唯一のチームは、二度目の昇格を果たしたヴァンフォーレ甲府だ。30人の登録メンバーの3分の1が30歳台で、平均年齢は27・89歳だ。J1最年長プレーヤーの伊東輝悦を筆頭に、冨田大介、市川大佑、阿部吉朗、小林久晃ら30歳台の新加入選手が、平均値を押し上げている。経験値の高いベテランを獲得するのは昇格チームの傾向であり、今シーズンの甲府はその分かりやすい例と言える。

対照的に、もっとも若いのはセレッソ大阪だ。平均年齢24・23歳である。近年は下部組織から昇格する選手が増えており、今シーズンのメンバーでは19歳、20歳、21歳の7選手が当てはまる。

世代交代が叫ばれる鹿島は、リーグで8番目に若い。25・82歳である。30歳以上の選手は7人にのぼるが、10代の登録選手はリーグ最多の4人を数える。鹿島同様に経験豊富な選手がチームを牽引するガンバ大阪も、平均年齢は9番目に位置する。世代交代への備えは、どのチームも進めている。

とはいえ、若手や中堅が先発や控えに食い込んでこなければ、平均年齢がどれほど若くても意味をなさない。

リーグ優勝やAFCチャンピオンズリーグ（ACL）優勝、あるいはACL出場圏内を目ざすチームに、若手を使いながら育てるまでの余裕はない。J1残留を命題とするクラブも同様である。目前の結果を得るためには、ベテランの実績や経験がしばしば優先されるものだ。

そもそも、ポジションの変動は実力が裏付けとなるべきだ。世代交代を進める意図のもとではなく、自らの力でレギュラー争いに食い込んでくる若手や中堅の登場が望まれる。ACLをきっかけに出場機会を増やしていった、昨シーズンの宇佐美のような選手が。

若手や中堅の台頭は、チームを活性化する。自らのポジションを脅かす存在の出現は、ベテランを刺激する。経験豊富な選手に停滞を許さず、さらなる進化を促していく。チーム内の競争がもたらす好循環が生まれる。そうしたサイクルが、チームを強くする。逞しくする。

3月第1週に行なわれる開幕戦に、各チームがどのようなメンバーで臨むのかは興味深い。サポーターでなくても気になるところだ。ただ、長いシーズンのなかで各チームがどのように変わっていくのかが、個人的には気になる。いまはまだノーマークの選手が、ロンドン五輪予選やブラジルW杯予選にピックアップされるようになってくれば──リーグも代表もさらに活気づくと思うのである。


※文中の年齢、平均年齢は、すべて満年齢で計算。また、登録選手は2月4日に発表されたリストに、同月18、25日に追加登録された選手を加えて作成。


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