倉木麻衣
 “自分自身にもっと触れて欲しい”という想いを込めた前作「touch Me!」から約2年、11月17日に通算9作目のオリジナルアルバム「FUTURE KISS」(=未だ見ぬ未来に触れる)を発売した倉木麻衣。目線を隠した初回限定盤ジャケットには“目に見えているものだけが全てではなく、心で感じる内なる思いを大切にしたい”というメッセージが、通常盤には“未だ見ぬ世界にここから、また新たな第一歩を踏み出したい”という想いが込められている。

――目を隠している初回限定盤のジャケットには「目に見えているものが全てじゃない」というメッセージが込められているとのことですが、「I scream!」にも「目に見えるものだけで 判断しないでほしいよ」という歌詞がありますよね。

倉木麻衣(以降、倉木):こういう世界にいるとどうしても、注目されることは当然で、私生活を知りたいという方もいらっしゃるじゃないですか。そうなると、週刊誌とかに私生活の写真を載せられちゃうんですよね。それで、たまたまアイスクリームを食べてる時の写真をスクープされちゃったんですよ。「やられたなぁ」と思いながら、その「アイスクリーム」もちょっと掛けてるんですね(笑)。あとは、たまたまピラティスの帰りに着ていた服がちょっとカジュアルな、スウェットみたいな感じで、「倉木麻衣、芸能人オーラを全く消した私服!」みたいに書かれて。「いや、たまたまピラティスの帰りでこうなっちゃったんだよ」というのがあったり…。

やっぱり、人って目で見て得る情報が多いですし、どうしても見たままで判断することも多いじゃないですか。だけど、もうちょっと、その奥にあるものを見て欲しいなという意味で「I scream!」を書いたんですね。例えば、その人は普段明るくて、すごくいい人なんだけど、たまたまちょっと疲れた所を見られちゃって、感じ悪い、暗い人だなって思われちゃったりもするじゃないですか。でも、本当のその人は違うわけで。もっと違った視点から物事を捉えて欲しいという意味で、「I scream!」を作ったんですよね。

――前作のアルバム「touch Me!」の時もそうでしたが、今までだったらきっと、そういうことを心の内に感じていても、歌詞にして発表することはなかった気がしますね。

倉木:そうなんですよ。今までそういうことを感じながらも、リアルな気持ちはあまり書いてこなかったので、もう開き直りですかね(笑)。今年の前半にすごく落ち込んでいただけに、それを乗り越えた時の強さとか、自信を取り戻した時はものすごいパワーを持っていて、こういうことも平気で伝えられる自分がいたんですよね。だから発見できたという。

――“強い”アルバムだなと感じました。

倉木:そうですね、強い感じですね。

――音楽以外の話だと、毎回「マリンスポーツをしたい」と言われてますが、その後もお変わりないですか?

倉木:はい。まだ、出来てないです(笑)。