豪快なテイクダウン攻撃で、スタミナをロスしてしまったジェラルド・ハリス

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TUFシーズン7、第7週。初めて対戦カードの決定権を持ったランペイジが、ご機嫌な笑い声をあげながら、試合をピック。自らのチームからジェラルド・ハリス、チーム・フォレストからアミール・サダローを選んだ。

「ジェラルドは、レスリングに優れている。アミールは、キックボクサー。典型的な組み技×打撃系ファイターの試合になるだろう」と自信の覗かせるランペイジ、ようやく手にした対戦決定権をもう逃さないと明言する。

「ジェラルド?今回のメンバーでトップの一人だと思う。僕と同じで」。倒されてから如何に立ちあがるのかを、フォレスト・グリフィンと確認し、サダローはオクタゴンに向かった。

一方のハリスは、「僕は何でもできる。ただし、一番の強みはレスリング。テイクダウン&パウンドで勝つ。自信過剰じゃない、控え目に考えてもそうなるよ」と、コーチともども勝利を信じて疑うことない。

試合は、その自信の発言通りハリスのテイクダウンで開始した。パウンドを落とすハリス。しかし、抑える技術が今一歩で、サダローに立ち上がられてしまう。その度に豪快なリフトアップからスラミングを決め、試合を有利し進めるが、なかなか詰めに入ることができない。

徐々にタックルのタイミングを掴み始めたサダローが、1R終盤に腹固めからチョークを狙う。ここはハリスが察知し、すぐに胸を合わせて立ち上がることに成功したが、序盤のような圧倒的な動きは見られなくなっていた。

2R、「パンチとのコンビネーションでテイクダウンを狙え」というランペイジの指示通りの攻撃を仕掛けたハリス。ただし、もう1R序盤のようにサダローが簡単にキャンバスに倒れこむことはない。

再びタックルを切り、体を反転させてバックを狙ったサダロー。攻撃のリズムをつかんだのか、スタンドではローやミドルがヒットし始める。またもテイクダウンを許したサダローだが、ケージに詰められることもなく立ちあがることに成功すると、左ヒザ蹴りを顔面にヒットさせる。続いて思い切り振りぬかれた右ストレートで、ハリスからフラッシュダウンを奪う。サダローの足にしがみついたまま、ハリスはパウンドを連打で浴びると、ここでレフェリーが両者の間に割って入り試合をストップ。アミール・サダローが逆転TKO勝ちを手にした。

「判定になったら、負けると思っていた。でも、まだ時間はあるから、立て直せると言い聞かせて戦ったんだ」というサダロー、コーチのフォレストも「ジェラルドは2Rになると、シャープさに欠けていた」と試合を振り返った。

一方、思わぬ逆転KO負けを喫したハリスは、敗北が受け入れられず大声で叫び、周囲の目もはばからず涙をこぼす。「いつの日か、この借りを返すんだ」、耳元で囁くランペイジの言葉を聞き、ようやく落ち着きを取り戻したハリスは、UFCホーム6人目の脱落者となり、オクラホマ州タルサに還っていった。

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