――ライブを観ていると、福岡さんと高橋さんは割と頻繁に髪型を変える印象を受けているんですけど、橋本さんはずっと天使の輪っかというか。でも去年、日比谷野外音楽堂でスペースシャワーTVのイベントの時とか、「シャングリラ」のPVとか、徐々に髪型にも変化が見られてきたかなと思ったのですが。

橋本:多分、違う印象の時はメイクしてもらってるんです。

――段々、お洒落を気にし始めたのかと思ってました。

橋本:いいえ(笑)。あの時はテレビが入るということでメイクさんを呼んでもらって、みんな綺麗にしてもらってたから。綺麗にしてもらったライブってすごい数少なくて、数少ない中のものを観られたんだと思います。普段は本当に素っていうか、プレーンって感じだから。あの時は、「髪をバッてやって、ちょっとカッコ良くして下さい」ってお願いしました。

――いつもそうしたいとは思わないんですか?

橋本:はい、気が張ってしまうので。

高橋:気が張っとる時なんや、髪がバッってなったらな。なるほど。

橋本:動物みたいやな(笑)。

福岡:威嚇?(笑)

――東京だと、昨年に新宿LOFTでイベントをやって、「耳鳴りツアーなり」の恵比寿LIQUIDROOMも今年4月のSHIBUYA-AXもワンマンで2日間完売しましたね。会場が大きくなって、お客さんが増えているという実感はありますか?

高橋:今までだったら「チャットモンチーってどんなバンドなんだろう?ちょっと覗いてみよう」みたいな感じで、フェスの時にそういう人が見受けられたんですけど。最近は本当に私達を見に来てくれている、楽しみに待っていて来てくれている、というのがひしひしと感じられて。お客さんの愛情を感じられるようになって、自分達もそれに見合ったものをしなくちゃと。みんながすごくハッピーな気持ちで帰ってくれる、このライブでちょっとでも元気になってとか、そういうことも考えるようになってきたと思います。

――チャットモンチーのライブは、お客さんをそういうプラスな感情にしたいという気持ちでしょうか?

橋本:ものすごくそういう風に思っているわけではなくて、もちろん哀しい想いで帰って欲しくはないですけど、それぐらいで。お客さんも自分達も共に満足のいく、楽しい時間を作るというのが目標です。

――一方通行ではなく、お互いが楽しめる時間と場所を共有するような。

橋本:好きなバンドを観に、その場所にお金を出して来てくれて、楽しくないわけ無いじゃないですか。その2時間は結構あっという間だと思うんですけど、本当に「行って良かった」って思えるのが一番いいと思う。

福岡:「ライブに来て良かったな」って、それぞれがそれぞれの温度で思うと思うんですよ。最前列でノってライブを楽しみたいという人もいれば、後ろの方で楽しみたいという方もいると思うし。私達はそういうの無理矢理一緒に引っくるめて、「みんなでノろうよ!」という感じにはしないバンドなので、それぞれ楽しんでくれればいいとは思うんです。「耳鳴りツアーなり」をやってた時に、私達がノリを止めてしまうことであったり、MCや曲間がもっとスムーズに行けばお客さんもすごく楽しかったものを、私達自身がちぎってしまった場合があったんですよ。それをすごく反省していて、そういうのは無いようにしていきたいと思うし。みんなが思い思いに「良かった」って思ってくれるライブにしたいと思います。

――今後やってみたいことは?

高橋:私達にとって「耳鳴りツアーなり」というワンマンでのツアーを回ったことがすごく大きくて。そこでもっとノリがあったら、もっとお客さんが楽しいだろうなと思ったので。「耳鳴り」にはない、もうちょっとテンポの良い、ノリのある曲もどんどん作っていけたらいいなって思いました。あとは3ピースの良い所をもっと全面的に出していこう、というのが3人の目標で。ドラム、ギター、ベースという3つの音に、コーラスという武器も生かして。「重ねて、重ねて」じゃなくて引き算の、もっと隙間を楽しむ。「これが3ピースの醍醐味だ!」みたいな(笑)。

福岡:今回の映画の話とかCMとかも頂いたお話で、私達は「映画にしたいから」というので作ったことはなくて。ライブでどれだけ楽しく曲が出来るか、ということをいつも考えて曲を作っているので。それに賛同してもらえた方に、こういう風に映画やCMで使ってもらったりしてるので。こんな幸せなことはないので、これからもライブでみんなが盛り上がれる曲だったり、みんなが楽しみにしてくれる曲を作っていきたいと思います。

――チャットモンチーの中で、ライブが占める割合は大きいようですね。

福岡:ステージに立つこと、それが1番の幸せかなって思います。

高橋:もちろん、新曲もどんどん作っていきたいっていうのもありますけど、やっぱりライブありきのバンドだなっていうのがあって。デビュー前から月に何本もライブしてきたし、それで感覚をつかんできたというのもありますし。自分達がライブを観に行くのがすごく好きだったから、それで私達自身も育った。色んな方に影響を受けて育ったというのがあるから、やっぱりライブは外せないですね。

チャットモンチー - アーティスト情報
映画『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』公式サイト

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