12月10日に行なわれたチェルシー対アーセナルのロンドンダービーは、1−1の引き分けに終わった。この試合で、戦線離脱中のFWティエリ・アンリに代わり、アーセナルのキャプテンを務めたMFジウベルト・シウバは、「ファウルのたびに主審を取り囲んでプレッシャーをかけ続けた」として、チェルシーを批判した。

 前半24分に、この試合はじめてのイエローカードが、DFアシュリー・コールに提示されると、チェルシーは数名の選手でアラン・ワイリー主審を取り囲み、ジョゼ・モウリーニョ監督はタッチライン際で不満を露にした。さらに後半、GKイェンス・レーマンとFWディディエ・ドログバの両者にイエローカードが出された場面では、線審に状況を確認するワイリー主審が、チェルシーの選手を手を振って追い払わなければならないほどだった。

 こういった行為に対し、アーセナルのブラジル人MFは、『BBCラジオ』のインタビューで次のように語っている。

「チェルシーは主審に対して敬意を払うべきだ。ファウルを取られると、つねに3、4人で主審を取り囲んでプレッシャーをかけていた。それでも、ワイリー主審は毅然とした態度で対処していたね。チェルシーも、彼が素晴らしいジャッジで試合をコントロールしていたことは分かっているはずだよ。それでも、アシュリー・コールが警告を受けた場面では、アーセナルの選手にもカードを出させようと、主審に詰め寄っていた。本当ひどい行為だ」

 審判団との対立が取り沙汰されることの多いチェルシー。最近では、11月5日のトッテナム戦で退場処分を受けたDFジョン・テリーが、主審に対する不適切な発言を試合後に行なったとして、イングランド・サッカー協会から処分の対象とされている。アーセナルとの大一番に引き分けたことで、チェルシーと首位マンチェスター・ユナイテッドの勝点差は8にまで広がった。焦りの見えるディフェンディング・チャンピオン。苛立ちを主審のジャッジに向けるブルーズのモラル低下が懸念される。

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