現在、2012年に開催されるユーロ(ヨーロッパ選手権)本大会の参加国枠を、現行の16か国から24か国に拡大しようとする動きが本格化している。この改革案の推進派のひとり、ある“大物”は次のように語る。
「大賛成だ。そのうえで、さらに付け加えたいことがある。私ひとりの考えで進めることが出来るなら、ユーロ本大会はワールドカップと同じ大会方式、つまり32か国出場にまで拡大したい」
 
その人、ミシェル・プラティには、その理由を力説する。
「サッカーは変わった。歴史が移り変わり、多くの地域でサッカー地図も描きかえられた。そして、こうした変化は世界のどの地域よりヨーロッパが顕著である。昔、ソ連という国があった。しかしソ連は崩壊し、多くの国が分離独立した。彼らは政治の面だけでなく、スポーツの面でも独立性を打ち出している。ウクライナはワールドカップ初出場を飾り、リトアニアも前回のユーロ本大会で初出場を果たしている。もっといい例がある。98年フランスワールドカップで3位にまでなったクロアチアは、旧ユーゴスラビアの構成国だった。こうして国家が増えれば、予選に参加する国の数を増やすだけではなく、本大会の国の数も増やすのが道理というものだろう」
 
この改革案は、来年1月末のUEFA(ヨーロッパサッカー連盟)全体会議において議論され、最終的には投票によって採決されることになる。プラティニ曰く「みんな賛成のようなので、圧倒的多数で可決されるだろう」
仮にそうなると、気になるのが大会の運営方式だ。現行通り4か国によるグループ分け、上位2か国が決勝トーナメントへ、という方式では、6グループに分かれることになり、勝ち上がりが12か国では“半端”である。

だが、プラティニは「さしたる問題ではない」ことを強調する。
「基本的に4グループは維持し、上位2か国が勝ち抜ける方式も今まで通りに、各グループを4か国から6か国にするのが望ましい。サッカーの世界は非常に保守的であり、何事も段階を踏む必要がある。2012年に24か国に拡大し、その後、32か国にまで拡大する。そうなれば、ワールドカップと同じにする。何も問題はないはずだよ。もし各グループ4か国構成の方を優先するなら、確かに12か国が勝ち抜けるわけだが、それなら8か国に絞ればいいだけの話だろう?」