チェルシーとの対戦を日曜日に控えるアーセナルのGKイェンス・レーマンは、元チームメイトのDFアシュリー・コールに対し、激しい罵声を浴びせるようサポーターに求めた。

 2005年1月、チェルシーがアーセナルに無断で移籍交渉を行なったことに端を発するコール去就問題は、今年8月にDFウィリアム・ガラスとのトレードという形で決着。しかし、その過程で、両クラブ間に様々な遺恨を生む結果となった。そして日曜日の試合は、コールの移籍後初の直接対決。因縁対決を前に、元同僚を「いい奴だった」と振り返る守護神レーマンだが、チェルシーの本拠地スタンフォード・ブリッジに乗り込むアーセナルサポーターは、コールに激しい敵意を剥き出しにすると予想している。

「日曜の試合で、アシュリーが罵声を浴びるかって? そりゃ、もちろんだ。彼はウチのサポーターから、厳しく非難されるだろう。フットボールとはそういうものだし、それで試合もよりエキサイティングになる。逆に、ブーイングがなければ、アシュリーはアーセナルにとって重要な選手じゃなかったことになる。けど、実際彼はウチの中心選手だったし、多くの功績も残している。だからこそ、サポーターは過激に反応するはずさ」

 さらにレーマンは、コールが移籍直後の出版した自伝『マイ・ディフェンス』についても言及。アーセナルに対する批判も含まれていたことで物議を呼んだが、37歳の守護神は、若くして自伝を書く選手のメンタリティが理解できないという。

「若い選手がどうして自伝を書くのか、まったく理解に苦しむね。25歳やそこらで、経験を語られてもね。私くらいになれば、書くことも山ほどあるが…。誰も読みたがらない本を出版するのは、イングランド特有の文化のようだ。コールの自伝にしても、イングランド人のメンタリティを考えれば仕方がなかったのだろう」

 優勝戦線にわずかな望みを残すためにも、日曜日のチェルシー戦は絶対に落とせないアーセナル。守護神レーマンが、元チームメイトを巻き込んで演出する愛憎劇は、早くも崖っぷちに立たされたチームに力を与えることができるだろうか。