アーセナルのアーセン・ベンゲル監督とFWティエリ・アンリの不仲説が英国メディアを賑わせている。先週金曜日に、翌日のトッテナム戦の出場メンバーから外れることを伝えられたアンリ。首の故障を考慮しての決定であったが、エースストライカーは猛反発。その結果、トレーニング中に、ベンゲルと口論を繰り広げたと、各メディアが伝えていた。

 しかし、キャプテンとの強固な関係を強調するベンゲルは、この報道について、次のように反論している。

「コンディションについて、ティエリと話し合った。彼は小さな故障をいくつも抱えており、そのおかげで疲労が溜まりやすい状態になっている。医療チームが対策を検討しているが、正確な復帰時期を明言するのは難しい。コンディションを取り戻すのに、少なくとも数週間はかかるだろう。もちろん、メディアの報道は知っている。しかし、改めて言わせてもらうが、伝えられているような問題はない。我々はつねに強い絆で結ばれている。今週は重要な試合が続く。こういった噂話は、もう終わりにしてもらいたい」

 一方のアンリは、フランスの『レキップ』紙に対し、指揮官の決定にフラストレーションを感じたことを認めている。

「痛みが引くまで、少なくとも1ヶ月はプレーできない。でも、そんなことでアーセンと言い争ったりしていないよ。たしかに、頭にきたのは事実だよ。でも、それは僕がチームの役に立てないから。僕にとっては受け入れがたいことだから。アーセンとは同じ志を持っているし、一緒に目標に向かっていきたい」

 公の場で不仲説を否定した両者だが、補強策を巡っての対立も伝えられている。来年1月の移籍マーケットについて聞かれたアンリは、「他のチームに比べて、アーセナルは選手層が圧倒的に薄い。アーセンは1月に数人補強するはずだよ」と発言。しかし、今シーズン中の補強は行なわないと明言しているベンゲルは、「何のことだか分からない。彼に聞いてくれ」とアンリの発言を全面的に否定しており、2人の間に意志の疎通がないことは明らか。さらにアンリは、「4−5−1の1トップでプレーするのは好きじゃない」と、指揮官の采配に公然と文句をつけるありさまだ。アーセナルを支える2人の不仲説は、まだまだ収まりそうにない。