プレミアリーグの名門アーセナルが厳しい戦いを強いられている。先週末のボルトン戦、そしてミッドウィークのフルアム戦と、格下相手にまさかの連敗を喫し、現在6位と低迷。首位のマンチェスター・ユナイテッドには、すでに16の勝点差をつけられている。さらに、2日に控えたトッテナムとの“ノースロンドンダービー”では、エースのティエリ・アンリが首を痛めて欠場の見通し。それでも、指揮官のアーセン・ベンゲルは、依然として強気の姿勢を崩さない。

「ティエリの離脱はバッドニュースだ。しかし、選手はしっかりと集中している。私はむしろ、いい時期にダービーを迎えられたと思っているんだ。2連敗の失望から立ち直るいいきっかけになる。我々はたしかに若いチームだ。しかし、私は選手を信じている。目標は明確だ。正しい道を歩んでいることを証明してみせる」

 一方、シーズン序盤から低迷を続けるアーセナルについて、トッテナムのマルティン・ヨル監督は、そのポテンシャルの高さを評価している。

アーセナルは偉大なチームだよ。それは、今も昔も変わらない。プレー内容では、イングランドでも随一ではないだろうか。しかし、結果は出ていない。ゴールを奪えなければ、試合に勝てないのは当然だ。それでも、ホームで戦うアーセナルは強敵だ」

 さらに、このオランダ人監督は、「我々の間に友人関係はないが、彼の去就を問題にするなどバカげたこと。彼を普通の監督と一緒にしてはいけない。それほどの男だ」と、不調の責任を問われるフランス人監督をかばった。ローカルダービーを前に、敵将に塩を送られる格好となったベンゲル。先日、アーセナルの監督就任10周年を迎えた知将は、大きな正念場を迎えているようだ。