プレミアリーグの覇権争いを繰り広げる指揮官の心理戦が白熱している。先週末、首位を走るマンチェスター・ユナイテッドとの直接対決に引き分け、勝点差3をキープしたチェルシーのジョゼ・モウリーニョ監督。1−0で勝利した水曜日のボルトン戦後、「首位獲り宣言」で、マンUのアレックス・ファーガソンを牽制した。

「我々がプレミアの首位に立つのは時間の問題だ。勝点差はたったの3。マンUよりも、我々の方が厳しい日程を組まれていることを考えれば、私は非常に満足しているよ。実際のところ、勝点差が8にまで開いていてもおかしくはなかった。マンUに敗れ、ボルトン戦で引き分ければ、その可能性もあったわけだ。しかし、我々は集中して戦いに挑んでいる。これからも連勝を続けて、一日も早く首位に立つ。過去2年間、順位表の一番上は我々の指定席だったからね」

 一方、敵将の挑発に対し、まもなく65歳を迎える老将ファーガソンは、余裕のコメントで自信を垣間見せる。

「ウチのチームがやるべきことは、まだまだ多いよ。それでも、偉業を成し遂げるべく、素晴らしい戦いを披露してくれているし、このチャンスを逃したくないのはみんな同じだ。(水曜日の)エバートン戦の後、ドレッシングルームでチェルシーの試合を観ることができた。最後の数分だけだったが、やはり彼らの結果が気になったね。それは今後も続くだろう。ただ、重要なのは、我々はチェルシーの結果を気にするべき順位にいるということだよ」

 プレミアリーグのタイトルレースは、もはや2チームの争いに絞られた感もある。過去2シーズン、圧倒的な戦いで連覇したチェルシーか。90年代の黄金期の復活を目論むマンUか。来年4月に控える直接対決の第2ラウンドまで、両雄はピッチ外の心理戦で火花を散らし続ける。