26日夜に行われたセリエA第13節パレルモ対インテルの首位攻防戦は1−2でインテルが勝利、敵地で貴重な勝ち点「3」を獲得して単独首位を守った。

先発復帰を果たしたFWアドリアーノ(24)の復活劇だった。前半7分、後方からのロングボールを胸で落とし、イブラヒモビッチのゴールをお膳立て。1−1で迎えた後半16分、最大の見せ場が訪れた。速攻からドリブルで持ち込み、最後は右サイドを駆け上がったビエィラに完璧なラストパスを供給した。

アドリアーノにとって、例年にない厳しいシーズン開幕だった。優勝候補筆頭として挑んだW杯では惨敗、ホームパーティの写真がネット流出するなど私生活でもトラブルが続出。若き皇帝は心身ともに限界だった。会長、クラブの計らいにより異例の“ブラジル一時帰国”を許されたが、母国ブラジルでも周囲の“監視”は変わらず、気の休まる間はなかった。約2週間のリフレッシュ休暇から戻ったアドリアーノに先発の座は既になく、虎視眈々と出場機会を待つ日々を過ごした。だがこの日、FWクルスの負傷、クレスポの疲労もあり巡って来た先発チャンスに結果を出したアドリアーノ。重要な一戦で賭け采配が的中したマンチーニ監督は「最高の出来だった」と安堵の表情を浮かべ、皇帝の復活を喜んだ。

第13節を終えて上位陣の勝ち点はインテル=33、ASローマ=29、パレルモ=27。アドリアーノの復活でライバル撃破に成功したインテル、優勝に向けて独走態勢に入った。