チェルシーのジョゼ・モウリーニョ監督は21日、翌日に控えたチャンピオンズ・リーグのブレーメン戦では、あくまで勝負にこだわると宣言した。

 現在、勝点10でグループAの首位に立つチェルシー。2位には勝点7でブレーメンが続き、スペイン王者のバルセロナは勝点5で3位に沈んでいる。グループリーグは、残り2試合。つまり、22日のブレーメン戦でチェルシーが敗れ、バルセロナがレフスキ・ソフィア戦を引き分け以下の結果で終えると、最終戦を待たずに、昨シーズンの王者バルセロナのグループリーグ敗退が決定する。しかしモウリーニョは、「因縁のライバルであるバルセロナを脱落させるため、ブレーメン戦でわざと負ける可能性はあるか」と問われると、次のように答えた。

「私がわざと負けるのは、子供と遊んでいるときだけだ。彼らを喜ばせるためにね。それ以外では、すべて勝ちに行く。親善試合であろうが、チャンピオンズ・リーグであろうが、関係ない。対戦相手だけでなく、自分たちに対する敬意も忘れてはならない。我々は首位に立っており、あと勝点1でグループ突破が決まる。しかし、それで戦い方が変わるわけではない。ベストを尽くして戦うまでだ」

 さらにモウリーニョは、「バルセロナとブレーメンのどちらにグループを突破して欲しいか?」との問いに対する返答を拒否した。

「その質問には答えられない。例えば、私が『ブレーメンだ』と答えたとしよう。そして、グループを突破したブレーメンと再びトーナメントで対戦して、我々が負ければどうなる? あなた方は、私を笑いものにするだろう。バルセロナは間違いなく優勝候補であり、ブレーメンの優勝を推す声はたしかに少ない。しかし、それは同時に、チェルシーやバルセロナ、そしてインテルといったチームが苦しむプレッシャーと、彼らが無縁であることを意味しているんだ。とにかく我々は、首位でグループを突破するために、勝利を目ざして戦うだけだ」

 日曜日(26日)に控えたマンチェスター・ユナイテッドとの大一番を「特別な試合ではない」と言い放ち、ブレーメン戦に全精力を傾けることを誓ったモウリーニョ。窮地に立たされたバルセロナにとって、根深い因縁関係にあるポルトガル人監督が、今回ばかりは救世主に見えているに違いない。