自民党から出馬し、衆院選の比例で当選した大空幸星氏(写真は2021年)

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 10月27日の衆院選で、史上最年少の候補者として比例復活での当選を果たした大空幸星(こうき)氏(25)。

【写真】選挙期間中に応援にかけつけたのは“超大物”議員夫人

「イメージが180度変わった」

 慶應大学在学中の2020年にNPO法人『あなたのいばしょ』を設立。社会で孤独を感じる人や孤立する人を支援する活動を行ってきた。テレビの情報番組には、Z世代の論客として出演。

 ただ、衆院選に自民党の公認候補として出馬したのだが、これに大空氏と共演していたコメンテーターなどから“落胆”の声が飛び出していた。

 大空氏は当選後の10月28日、ネットのニュース番組『ABEMA Prime』に出演。出馬した理由を問われて、

「(テレビの)言論空間には存在意義はあるとしても、個人としてコメンテーター人生が嫌になった。政治に対して一方的に批判して、社会にさまざまな問題提起もしたが、なぜ自分は言っているだけなのか、何か行動を起こさなければならないと思った」

 と語った。これに共演するコメンテーター陣からは、

「世間一般の大空幸星と、選挙に出てからのイメージがホントに180度変わったぐらい変わった」

「コメンテーターをバカにしすぎ。どうして政治家のほうが偉いと思うのか?」

 といった発言が飛び出した。『ABEMA Prime』でMCを務めるカンニング竹山は、

「コメンテーターという仕事は何も変えられない。世の中を変えようと思ったら、国会議員にならないと変えられない」

 と、大空氏の立場に理解を示しつつ、選挙戦での印象について、こう続けた。

「これまで大空幸星としてさんざんメディアに出て、忖度なしにバンバン言っている姿をわれわれは見てたわけだから、忖度なしにいくんだろう、自民党から出馬してバンバンいくんだろうと思っていた。いろいろ事情はあるんだろうが、大空さんのメディア対応を見て、裏にいろいろ大人がいるんだろうなとか、言えないことがあるんだろうなと……」

 番組では、選挙期間中に夫婦別姓問題や同性婚問題などの政策に関する意見を問われた新聞社のアンケートに、大空氏が無回答だったことにも話が及んだ。SNSでも、

《弱い立場の人々の味方のように見えていたけど、結局は、自分の名声や地位が欲しい人だったのかな。これまでの変節振りを見て、この方の人間的な本質を見た気がする》

《鋭く切り込みながら思い描く政治を主張してくれるのかと思ったら、どこにも角が立たないことしか言わなくなって、自民のお人形にされた》

 と、大空氏の“変節”を指摘する声もあった。

若さをアピールするも……

 さらに、選挙戦で大空氏が、

「今回の選挙で、25歳の候補者を野党は出していない。25歳で立候補できる、それが自民党だ」

 と訴える姿が報じられた。するとSNSでは、大空氏が2023年5月に出演した番組で、

「若さをアピールするのは、それ以外にアピールするところがないから。政治家がいい例ですよ」

 という過去発言が引き合いに出された。

 こうした声を、大空氏はどのように受け止めたのか。質問状を送付したところ、次のように回答があった。

――コメンテーターとして自民党を批判していたこともあったが、自民党から出馬して“変節した”との声もあるが?

「コメンテーターとして番組出演時には、与野党を公平に評価することを常に心がけておりました。そのため、一部の野党支持者の方々からは“自民党から出ると思っていた”や“出演時には自民党を擁護していた”といった声が寄せられました。

 私は学生時代にチャット相談窓口を設立し、相談支援に携わってまいりました。全国での講演活動や政府等での公職を通じ、孤独・孤立対策や自殺対策にも尽力してきました。誰もが孤独に苦しまず、未来に希望を抱ける社会の実現を目指したものであり、この理念は今も変わることがありません。立法府の一員として、この志の実現に一層邁進する所存です。

 私の活動に理解を示してくださる方々から“変節した”との意見はいただいておりませんが、“変節した”と思われている方には、政治家として結果を出していくことで、納得していただけたらと考えています」

――過去に「若さアピール」を批判していたのに、今回は自分から「若さ」をアピールしたのは?

「衆議院解散時に20代の国会議員が1人もいなかった現状を踏まえれば、未来を見据えた国づくりを担う世代が求められていると感じます。一方で“年齢だけでは十分でない”とも、たびたび発言してきました。私の年齢以外の取り組みが広く理解されるよう努めてまいります」

――孤独・孤立対策や自殺対策などの政策として掲げているが、国会議員としてどう改善していく?

「自殺は、多様な要因が複雑に絡み合い、連鎖的に発生し、現代の社会構造全体の問題としてとらえるべきです。政策決定の過程においても、抗議的なアウトカム指標として、自殺者数や自殺率を念頭に置くことが不可欠です。特に、過去最高水準を記録する子どもの自殺に対応するため“こどもの自殺対策緊急強化プラン”の確実な実施を推進します。2006年の自殺対策基本法の成立以降、若年層の自殺が著しく減少していない現状を踏まえ、エビデンスに基づいた新たな施策立案に向けたプロジェクトチームを早急に発足します」

 若き力が、日本を変えてくれることを期待したい。