こちらは「かじき座(旗魚座)」の方向約4900万光年先の棒渦巻銀河「NGC 1672」です。青白い輝きに彩られた渦巻腕(渦状腕)に沿って広がる赤い領域は、若い星から放出された紫外線で電離した水素が光を放つ星形成領域があることを示しています。


【▲ ハッブル宇宙望遠鏡(HST)が撮影した棒渦巻銀河「NGC 1672」(Credit: ESA/Hubble & NASA, O. Fox, L. Jenkins, S. Van Dyk, A. Filippenko, J. Lee and the PHANGS-HST Team, D. de Martin (ESA/Hubble), M. Zamani (ESA/Hubble))】

この画像は「ハッブル宇宙望遠鏡(Hubble Space Telescope: HST)」の「広視野カメラ3(WFC3)」と「掃天観測用高性能カメラ(ACS)」で取得したデータを使って作成されました。


どこかに写っている超新星の輝き

実は、この画像の作成には2017年8月に検出された超新星「SN 2017gax」が写ったデータも使われています。どこにあるのかは最後に掲載した画像でぜひ確かめてみて下さい。


欧州宇宙機関(ESA)によると、ハッブル宇宙望遠鏡による最近のNGC 1672の観測は、SN 2017gaxを起こした星にあったかもしれない伴星の捜索などのために行われました。なお、中心に活動銀河核(※)があるNGC 1672はハッブル宇宙望遠鏡によって度々観測されており、2023年には「ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(James Webb Space Telescope: JWST)」やX線宇宙望遠鏡「チャンドラ(Chandra)」の観測データも組み合わせた画像が公開されています。


※…強い電磁波が放射されている銀河中心部の狭い領域。Active Galactic Nucleus: AGN。


3つの宇宙望遠鏡の合作。多波長で捉えた棒渦巻銀河「NGC 1672」(2023年5月31日)

本記事に掲載したNGC 1672の画像は“ハッブル宇宙望遠鏡の今週の画像”としてESAから2024年11月4日付で公開されています。


超新星はココに写っている!

【▲ 棒渦巻銀河「NGC 1672」で2017年に発見された超新星「SN 2017gax」の発生前(上)と発生後(下)の様子を比較した図。超新星の位置は下の画像に丸印で囲んで示されている(Credit: ESA/Hubble & NASA, O. Fox, L. Jenkins, S. Van Dyk, A. Filippenko, J. Lee and the PHANGS-HST Team, D. de Martin (ESA/Hubble), M. Zamani (ESA/Hubble))】

 


Source


ESA/Hubble - Galaxy light show

文・編集/sorae編集部


#ハッブル宇宙望遠鏡 #棒渦巻銀河 #NGC1672


Last Updated on 2024/11/06