ホンダが純利益見通し下方修正、中国の販売減響く 売上高は上振れ

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Maki Shiraki Nobuhiro Kubo

[東京 6日 ロイター] - ホンダは6日、2025年3月期通期の連結純利益予想(国際会計基準)を500億円引き下げ、9500億円に下方修正した。IBESがまとめたアナリスト19人の予測平均値1兆0800億円を下回った。電気自動車(EV)の普及が急速に進む中国で、販売が減少していることが響く。前年からの減益幅は9.7%から14.2%に拡大する。

通期の世界四輪販売計画は380万台と従来比で10万台減らした。中国を含むアジアを118万台と10万台引き下げた。中国は7万台下振れる。北米は従来の167万5000台を据え置いた。

会見した青山真二副社長は「中国で(EVなど)新エネルギー車が加速度的に増える中で、われわれはいま現在強い商品を持っていない」と説明。EV工場を現地に立ち上げる一方、合弁会社2社の生産能力を今年度中に149万台から96万台まで減らすほか、人員削減に向けた協議を進めているとした。

売上高予想は、北米でハイブリッド車やガソリン車の販売が好調なことから前年比2.8%増の21兆円と従来の20兆3000億円から引き上げた。営業利益は同2.8%増の1兆4200億円とする従来見通しを据え置いた。北米で売り出したEVの販売奨励金を積み増す影響はあるものの、二輪販売などで下支えする。

営業利益予想もIBESがまとめたアナリスト20人の予測平均値1兆4740億円を下回った。

通期の前提為替レートは1ドル=148円とこれまでの140円から8円円安に見直した。米国の利下げと日本の利上げが回数・幅ともに想定を下回るとみているため。米大統領選の影響は織り込んでいないという。

併せて発表した24年4━9月期連結決算は、営業利益が前年同期比6.6%増の7426億円だった。四輪車販売は177万9000台と前年同期から15万5000台減少した。北米ではハイブリッド車などが好調だったものの、中国で不振だった。