「映画館、上映前のCMはやめてほしい」『ジョーカー』監督が意見「お金を払って来ているのに」
映画館で映画の上映前に投影されるCM映像は鑑賞の期待感を奪ってしまう?『ジョーカー』(2019)『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』(2024)のトッド・フィリップス監督は、上映前のCMはやめてほしいと考えているようだ。“映画の未来”をテーマにした英の特集記事の中で持論を述べている。
元の記事は、コロナ禍などで激動を経た映画業界について、劇場興行とストリーミング配信のジレンマ、AIの台頭などについて、さまざまなフィルムメーカーから意見を徴収したもの。フィリップス監督は、劇場体験は自宅でのストリーミング体験に対抗できなくてはならないという考えのもと、「映画の前にコマーシャルを流すのをやめてほしい」と提言。「私たちはチケット代にお金を払って、楽しみにして来ている。コマーシャルは、その場の空気感を奪ってしまいがちです」と述べた。
おそらくフィリップスの言及は、劇場によって上映前に挿入される一般企業のCMのことを指しているのだろう。お金を払って映画を見に来ているのに、CMを見せられるのは奇妙だという考えだ。延々と続くCMに、「早く本編を観せてほしい!」とウンザリすることもあるだろう。
一方、来たる新作映画の予告編CMについては、フィリップスも別の意見を持っているかもしれない。何度かYouTubeで見たはずの楽しみな新作の予告編も、劇場で観るとやはり迫力が違い、ますます期待感を盛り上げてくれるものだ。知らなかった新作の到来を気付かせてくれることもある。フィルムメーカーや興行主にとって、観客の関心の橋渡し役として機能しているはずだ。
上映前の予告編をあれこれ観るのが、劇場鑑賞時のちょっとした楽しみだという方も少なくないはず。最近では、話題の新作の予告編映像を特定の上映前に初解禁するというプロモーションもあり、それ自体が付加価値になることもある。今回のEmpireの記事では、上で紹介した以上のフィリップスの意見は掲載されていない。
上映前CMは、ついに映画を鑑賞する直前の、手荷物を整理したり、気持ちを落ち着けたりできる最後の猶予の時間でもある。CM投影によって劇場が収益を得られ、それが健全な運営に繋がる部分もあるだろう。上映に向けた集中力が削がれてしまうというフィリップスの意見にも頷けるのだが、さてあなたは、この話題についてどのように考えるだろうか?
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