指示をしながらプレスをかける藤枝明誠・水上(右=カメラ・里見 祐司)

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 全国高校サッカー選手権静岡県大会はベスト8が決まり、2日と4日に準々決勝が行われる。4年ぶりの優勝を目指す藤枝明誠は、同じプリンスリーグ東海に所属する浜名と対戦する。準々決勝で当たるのは3年連続で、過去2年はいずれも黒星。リーグ戦でチームトップ10得点のFW水上大和(3年)を中心に、因縁の相手との決戦に臨む。

 前線からガンガン行く。浜名戦を控えたグラウンドでの練習で、明誠のエースFW水上がピッチを駆け回った。仲間に指示を出しながら、ボールを持ったDFに激しくプレスをかけていく。選手権では浜名に2連敗中ながら、今季プリンスリーグは2連勝。6月の対戦(4〇2)で2得点しているストライカーは「圧倒的な結果を出して他校をびびらせたい」と意気込んだ。

 昨秋はベンチ外。最終登録の時期にインフルエンザで離脱してしまい、スタンド応援だった。浜松のホンダFC出身で、浜名には知っている選手も多い。PKによる0―1の敗戦に「悔しかった」と振り返る。先月27日の決勝トーナメント1回戦(対浜松工)は無得点に終わっており、「もっとボールを要求してシュートを打つ」。1年前の無念の思いをピッチにぶつける覚悟だ。

 今季2連勝中でも気の緩みはない。プリンスリーグで浜名は最下位(1勝2分け13敗)に沈んでいるものの、「紙一重でしょう」と松本安司監督(55)は警戒。「こぼれ球をどっちが拾うか。中盤の勝負になる。走れたチームが勝つ」と話した。浜工戦で3得点と大暴れしたMF平井大都(3年)も「油断はしません」。1得点のMF波多野泰志(3年)も「通算で2勝2敗ですから」と決着戦へ気を引き締め直した。

 明誠は現在、プリンスリーグで暫定2位(11勝1分け4敗)。プレミアの昇格戦出場も視野に入れている。残りは磐田U―18と藤枝東の2試合だ。「全部勝って、選手権もプレミアにも行く」と水上は宣言。浜名に2年分のリベンジを果たし、準決・決勝の舞台、エコパへ進む。

(里見 祐司)

 〇…右サイドバック鈴木凌誠(3年)は積極的な攻撃参加が持ち味。浜松工との初戦では、低い弾道のミドルシュートがMF平井の先制点を呼び込んだ。10月の浜名戦では2得点し、2―0の勝利に大きく貢献。2日の試合も攻め上がって点を取りに行くつもりだ。「相手はプリンスで2連敗しているだけに、逆に怖さもあります」と気を引き締めつつ、「気持ちで負けない。去年の借りを返します」と勝利を誓った。