北澤氏がベストイレブンをセレクトした。(C)SOCCER DIGEST

写真拡大

 元日本代表MFの北澤豪氏が、前園真聖氏のYouTubeチャンネル「おじさんだけど、遊んでもいいですか?」に出演。Jリーガーの歴代ベストイレブンを選出した。

 ヴェルディ川崎(現・東京ヴェルディ)で活躍したレジェンドが、セレクトした11人は以下の通り。日本人選手のみで選抜。システムは4−2−1−3だ。

GK:川口能活
DF:内田篤人、冨安健洋、ラモス瑠偉、都並敏史
MF:長谷部誠、守田英正、与那城ジョージ
FW:三浦知良、三笘薫、戸塚哲也

 GKの川口については、「勝負強さが一流」と称賛。大物ぶりを感じた瞬間をこう振り返った。

「フィールドプレーヤーって、ボールがある所が中心で物事を考えていくじゃないですか。ゴールキーパーって、全部が見えているから自分中心なんだって。それを能活が俺に言ったの。『自分が中心なんです』って。何を言うの、こいつと思って。こいつ凄いわ、視点がと思って」

 右SBの内田は、「(ボールが)出てくるタイミングがめちゃくちゃ上手い」。ブンデスリーガで実績を残し、日本人のSBが世界で評価されていくきっかけになった点も評価した。

 右CBは吉田麻也と迷いながらも、冨安を選んだ。

「センターバックがあれだけ世界で活躍してくれることを証明してくれたのは大きいかなと思って。なかなか難しいって言われていたじゃないですか。前はいけるけど、世界の評価を勝ち取ったのは吉田であって冨安。冨安はサイドバックで入ったりとかもするけど、センターバックで出ることもある。象徴的なもので置きたいなと思った」

 左CBにはなんと、日本を代表するパサーとして有名なラモスをチョイス。その理由をこう説明する。

「ラモスさんのセンターバックって素晴らしいよ。守備力、最高ですよ。たまにコンバートで入る時もあるんだけど、めちゃくちゃ上手い。ラインコントロールが上手いです。攻撃的に行くんだったら、ラモスさん入れても良いのはあるよね。ビルドアップできる」

 そのラモスと同様にヴェルディで共闘した左SBの都並氏は、1980年代から90年代前半が全盛期だったが、当時から現代サッカーようなプレーをしていたと回想する。

「インサイドにもポジション取っていたし、今でいう可変を当時からやっていた部分を考えていくと、1つの日本サッカーのサイドバックのロールモデルを作った男かなと思って。上下動も含めて、タックルも蟹挟みも」
【動画】北澤豪が日本人歴代ベスト11をセレクト!
 右ボランチに入れた長谷部は、長きにわたり主将を務めた日本代表において、「影響力はすごく大きいと思う」。相棒に配した守田については、読みの鋭さを絶賛する。

「めちゃくちゃ上手いよね。すげえ。超バランス取れてない?次の次を見てプレーしているんだよね。こんな選手いたら、めちゃくちゃやりやすいと思うよ。素晴らしいと思うよ。この人こそ象徴だと思う。守備も誰が行っていて、この次のところに出てくるところを狙って取りに行くとか。そういう能力が素晴らしいの。予測とかがね、ゲームを楽しめていると思う」

 トップ下の与那城は、70年代から80年代中盤にかけて活躍。その異次元ぶりをこう紹介する。

「マジシャンですよ、この人は。発想が違います。ここにいることによってラモスさんの後ろは納得されるかなって。この連係。その技っていう部分ではセルジオ越後さんが結構いろんなことやってくれたりとかするけど、それ以上にこの人の技のバリエーションは多い。ループとか、インに当ててアウトて引っかけて人を超えていくとか、普通にやっていたからね。日本リーグで、凄いよね。だからもう周りにやってる人はいなかったわけだよね。ちょっとレベルが違う」

 右ウイングに選んだカズは、キャリア後半のストライカーよりも、序盤に務めていたウイングストライカーの方が魅力的だったという。「そもそも監督の話は聞いていないから。ウイングに置いてもいろんな所に動くと思う」と、親しい間柄だからこそのコメントを残した。

 左ウイングに選出した三笘のドリブルについては、「あんなキュンキュンに抜いていいんですか?」と驚嘆。「分かっていても抜けちゃうのが凄いよね。ちょっと独特な空間じゃないですか。よくやるよね。コースがある程度、限定されるから、ディフェンダーも絞れるわけじゃない。それでも抜かれているもんね。(ベストイレブンに)入れなきゃいけないと思う」と称賛した。

 1トップにチョイスした戸塚は、“偽9番”で使いたいという。

「元々のテクニックはありますよ。身体の強さもある。あとは相手との駆け引きが上手すぎる。頭が良いんだろうね。だから、大体次のシーンが想像できていて。嫌なぶつけ方をしたりとかもするし。そういう意味では、一番潰れてしまうポジションでやれる人間かなって。誰よりもやれる」

 最後に、選外となったなかにも素晴らしい選手がたくさんいるとして、「33人ぐらいで作りたい」と本音をこぼした。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部