【宮原 健太】大臣経験者もピンチ…衆院選の「最新情勢調査」で、窮地が明らかになった「大物議員」の名前

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まさか、あの議員も…

石破茂政権の今後を左右する衆院選が10月15日に公示され、27日の投開票に向けて各候補が舌戦を繰り広げている。

今回は裏金問題によって自民党に大きな逆風が吹く中、石破首相が一部の裏金議員を非公認にしたほか、収支報告書への不記載があった議員全員に比例代表への重複立候補を認めないという異例の対応を取った。

措置を取られた自民党議員は小選挙区で負けると比例復活ができないという背水の陣を強いられており、特に浮動票が多い東京都内では、その多くが窮地に立たされている状況だ。

そんな東京都の一部の選挙区について、10月11日から13日にかけて自民党が実施したとされる情勢調査に関する情報が永田町では出回っている。

都内では、下村博文氏、平沢勝栄氏、小田原潔氏、萩生田光一氏の4人が非公認となり、山田美樹氏、丸川珠代氏の2人が公認されたものの比例重複なしとなった。

調査では、このうち下村氏、小田原氏、山田氏、丸川氏の4人が野党候補にリードを許している。

特に、下村氏はこれまで東京11区で9回にわたって小選挙区での当選を重ねており、文部科学大臣や党政調会長などの重職も務めてきたが、非公認となる中で支持を大きく落としてしまっている。

また、丸川氏は五輪担当大臣などを務め、今回は参院議員から満を持して衆院選に鞍替え出馬したが、比例復活が認められない中での劣勢に、国会議員を続けられるかが問われてしまうような状況だ。

裏金問題を巡る逆風が情勢に大きな影響を与えていることが伺える。

逆境でもリードする自民党議員

逆に平沢氏と萩生田氏の2人は野党候補に対してリードを広げている。

テレビ番組への出演でもお馴染みの平沢氏はこれまでも圧倒的知名度を背景に東京17区において9選を重ね、野党第一党の立憲民主党が候補者を擁立しない中で盤石の態勢だ。

また、萩生田氏は旧安倍派の幹部として裏金問題でも注目を集めたほか、旧統一教会問題の余波も続いているが、立憲候補に差をつけている状況だ。

永田町関係者は「立憲は萩生田氏に対する対抗馬として、旧統一教会問題などを取材してきたジャーナリストの有田芳生元参院議員を擁立したが、リベラル色が強く出過ぎてしまい、中間層の票の獲得に苦戦しているようだ」と分析した。

一方、野党第一党の立憲も一部で苦戦を強いられている。

今年4月に行われた東京15区補選を制した酒井菜摘氏は、自民党から出馬した25歳の超若手である大空幸星氏にリードされている。

また、これまで元首相である菅直人氏のお膝元であった東京18区には、前武蔵野市長である松下玲子氏が立候補したが、自民候補と僅差で競っている情勢だ。

この2つの選挙区で共通しているのは、前回選は共産党が候補者を降ろして立憲と共闘したのに対し、今回は共産が候補者を立てているという点だ。

浮動票が多い東京では、共産党を支持するリベラル票が一定程度出るため、立憲と共産が候補者調整できるか否かが結果を左右すると言われているが、立憲の代表が党内保守派である野田佳彦氏になったことによって、一部選挙区でこれまでの共闘が瓦解。

その結果、前回よりも厳しい戦いとなっていると言える。

「東京都内では裏金問題の逆風による自民の苦戦が各地に生じているが、一方で立憲も共産との共闘が崩れたことで厳しくなる選挙区がいくつか出てきている。そうした中で自民と立憲のどちらが勝つのか。予断を許さない選挙区が多い」と永田町関係者は語った。

裏金問題に選挙の構図作り。

各選挙区で様々な思惑が錯綜する中、情勢は混迷を極めている。

与野党ともに前回とは違う選挙戦となるなか、これからの政治はどうなっていくのか。

投開票日である10月27日は刻一刻と迫っている。

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