捜索が行われているJR九州高速船のクイーンビートル(17日午前10時3分、福岡市博多区で)=貞末ヒトミ撮影

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 JR九州の子会社「JR九州高速船」(福岡市)が、博多―韓国・釜山(プサン)港を結ぶ旅客船「クイーンビートル」の浸水を隠して3か月以上運航を続けていた問題で、福岡海上保安部は17日午前、船舶安全法と海上運送法違反の疑いで同社と船の捜索を始めた。

 一連の問題を巡っては、隠蔽(いんぺい)を指示したとみられるJR九州高速船の社長が解任された。国土交通省も同社に対して全国初の「安全統括管理者・運航管理者の解任命令」を出したが、海保は実態の解明には強制捜査が必要と判断したとみられる。

 海保などによると、同社側は今年2月、船内への浸水を認識しながら必要な臨時検査を受けず、約3か月にわたって運航を継続。国交相に届け出た安全管理規程に基づかずに運航した疑いが持たれている。

 福岡市の博多港国際ターミナルにある同社の事務所や、港に接岸中の船には17日午前9時頃から海保の職員らが相次いで捜索に入った。JR九州は「真摯(しんし)に対応する」とコメントした。