15日の債券市場で、先物中心限月12月限は反落した。国内連休中に米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ観測が後退し、米金利に上昇(債券価格は低下)圧力が掛かった。ドル円相場が一時1ドル=150円に接近したことも、円安進行を背景に日銀が追加利上げに踏み切りやすくなるとの見方を広げ、債券に対し売り圧力を掛ける方向に作用した。

 財務省はこの日、流動性供給入札(対象:残存期間5年超15.5年以下)を実施した。応札倍率は2.52倍となり、前回(9月19日)の2.95倍を下回ったものの、無難な結果との受け止めが多く、全体相場への影響は限定的だった。米国債券市場は14日、コロンブスデーの祝日のため休場となったが、時間外取引で米金利の低下は一服。4%を上回る水準で高止まりの状況が続いた。米金利の上昇シナリオを見込んだ投資家の売りは、円債相場には重荷となった。

 先物12月限は前営業日比22銭安の143円77銭だった。新発10年債利回り(長期金利)は同0.020ポイント高い0.965%に上昇した。

出所:MINKABU PRESS