ライブの「口パク」疑惑で窮地に…韓国・人気ナンバー1の女性歌手「トロットの女王」が引退危機のワケ

写真拡大 (全6枚)

「トロットの女王」――。

韓国でそう呼ばれる人気女性歌手が窮地に立たされている。引退危機まで噂されるチャン・ユンジョン(44)だ。トロットとは歌い継がれるビンテージソングで、韓国演歌のこと。チャン・ユンジョンは、中高年のファンが多かったトロットの魅力を若者へ伝えた功労者でもある。

「ソウル芸術大学時代にチアリーダーとして磨いたダンス力とアイドル並みの愛くるしい笑顔で、1999年にデビューするとたちまち人気歌手になりました。’03年にリリースした『オモナ!』が、ソウル歌謡大賞成人歌謡部門大賞を受賞するなど大ヒット。日本でも’07年に、東京や大阪などで6大都市コンサートツアーを開催しました。彼女のミュージックビデオには、美川憲一さんも友情出演しているんです。

チャン・ユンジョンが牽引したトロット人気は日本にも波及し、今年8月には東京・お台場で『トロット・ガールズ・ジャパン』が開かれました。彼女の国内人気はすさまじく世論調査会社『韓国ギャラップ』のアンケート結果によると、韓国の全歌手で『好きなアーティスト』として6位にランクイン。50代男性に限れば、人気ナンバー1に輝いているんです」(韓国紙記者)

〈ファンを軽視している〉

絶大な人気を誇るチャン・ユンジョンがつまずくキッカケとなったのが、8月下旬に北西部・仁川(インチョン)で行われたライブだった。

韓国メディア『KOREA WAVE』などによると、披露した4曲中2曲で『口パク』疑惑が浮上しました。ライブ後にYouTubeなどで動画が公開されると、明らかに音楽と口の動きに違和感があったんです。疑惑はまたたく間にネット上に拡散。賛否両論で騒動になります。

〈ダンスをしながらのパフォーマンスなのだから『リップシンク(録音された歌に合わせ口を動かす手法)』は批判されるべきことではない〉と擁護の声がある一方で、〈ファンを軽視している〉〈ライブに来た人は生の声を聞きたいことぐらいわかるだろう〉と炎上しました」(同前)

騒動が拡大すると、音楽イベントや番組へチャン・ユンジョンの出演を自粛させるようにという要望が殺到。テレビ局やイベント会社も対応に苦慮している。

「騒動を受け、チャン・ユンジョンの所属事務所は『口だけを動かすようなリップシンクは決してしません』と『口パク』疑惑を否定します。しかしネット上では〈他のイベントでも『口パク』があった〉と炎上が拡大。チャン・ユンジョンは今年デビュー25周年を迎えツアーを行っていますが、騒動の影響かチケットの売り上げは芳しくありません。このまま批判が高まれば、活動中止の危機さえ浮上しかねないんです」(スポーツ紙担当記者)

人気絶頂だった「トロットの女王」を襲ったトラブル。無事に鎮静化させ再び韓国国民を魅了する歌声を響かせられるか、事態は予断を許さない状況だ。