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 ボートレースからつの「ファン感謝3Days ボートレースバトルトーナメント」は14日、第12Rでファイナルが行われ、1号艇の吉川元浩が痛恨のフライングとなる中、3コースから握り差しを狙った茅原悠紀(37=岡山)が繰り上がっての1着。大会初制覇を決めるとともに今年4度目の優勝を飾った。2着には猛追してきた平高奈菜を2周2マークの全速ターンで振り切った渋谷明憲。平高が3着に入った。

 波乱の結末だった。ファイナルの1マーク、人気の吉川がイン先マイ。3コースの茅原が捲り差しで続いた。しかし、ここで吉川にフライングのコール。茅原が先頭に立ち、恵まれでのVとなった。

 「1マークを回って、吉川さんの優勝だなと思いました。スタートは展示でしっかり入れていたので、本番は保険をかけてのスタートでした。あんなに早いとは思わなかったですね」

 ピットに引き揚げてきた茅原に笑顔はなし。スリット写真を確認する表情も厳しい。F2の身で、コンマ03まで踏み込んでいたことに反省していたのだろう。

 決まり手「恵まれ」とはいえ、勝因はやはりボート界トップクラスの旋回力。1マークも少し遅れた位置からの捲り差しで、ボートの返し方も機力ではなく、技術で持ってくる素晴らしいターンだった。

 「やるべきことをやろうと思ってやっただけ。普通よりちょっといいくらいになってましたかね」とターン力を生かせる仕上がりにしていた調整力も光った。

 この優勝でプレミアムG1のBBCトーナメント(來年1月23〜26日、とこなめ)の出場権を獲得。11月15日が最終日の尼崎G1ダイヤモンドカップを走り60日間のフライング休みに入るが、休み明けで出場可能となる。

 22日から始まる次節の戸田SGボートレースダービー以降も厳しい戦いは続く。「期待に応えられないことが多く、申し訳ないと思うし、もっと頑張らないと、と思っています」。走る以上はファンのために最善を尽くす。ファン感謝の大会Vで、改めて気持ちを引き締めた。

 ◇茅原 悠紀(かやはら・ゆうき)1987年(昭62)7月11日生まれ、岡山県出身の37歳。99期生として2006年11月児島でデビュー。09年12月宮島で初優勝。12年9月徳山新鋭王座決定戦でG1初優勝。14年12月平和島グランプリでSG初優勝を決めた。通算58V(うちG1は10V、SG2V)。1メートル71。血液型A。