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 ◇セCSファーストS第2戦 DeNA10―3阪神(2024年10月13日 甲子園)

 「動」から「静」へ。このスタンス変更でDeNA・三浦監督はCSファイナルS進出をつかんだ。

 3月29日の本拠地での開幕広島戦数日前。横浜スタジアムに、三浦監督から突然申し出があった。「自分の座るベンチの位置を高くしてくれませんか」

 開幕直前で球場側も驚いたが、現役時代から知る関係者は多く、「よしっ、大ちゃんのためだ」と28日に突貫工事が行われた。

 指揮官は昨季まで試合中はベンチ最前列に立ち、采配を振ってきた。だが今季はコーチ、アナリストらと連携を取ることが多くなり、試合中はベンチで通路寄りの最も奥に「じっと」座り、報告を受ける時間が増えた。従来のベンチの高さだと、試合中は前に立つコーチ陣に視界がさえぎられる。オープン戦で実感していた。

 工事では25センチほど座る位置が高くなり、快適に試合を見届けられるようになった。そして、視界良好となった試合中の「静」のスタイルは、ビジター球場でも貫かれた。その温厚な人柄にほれ続けた本拠地関係者の思いも、ファイナルS進出という形で報われた。(DeNA担当・大木 穂高)