毎日、なにげなく飲んでいるみそ汁。最近の研究で、腸内環境を整えると免疫力が上がることがわかってきました。そこで、みそ汁がいかに健康にとって優れているかを医師の石原新菜さんが解説してくれました。栄養管理士の岩崎啓子さんのみそ汁レシピも紹介!

※ 岩崎啓子さんの「崎」は、正しくは「たつさき」です

【図】理想的な腸内フローラのバランス

腸内環境を整えて、免疫力を上げよう!

体内に入ってきた異物を除去する働きのあるリンパ球。リンパ球の約70%は腸内に存在します。最近の研究で、腸内環境が整っていると、善玉菌がリンパ球の働きを促し、免疫力を上げることがわかってきました。じつはみそ汁には、腸内環境を整える効果が期待できるのです。そのカギとなるのが、みそに含まれる乳酸菌、オリゴ糖、色素成分のメラノイジンと、具材からとれる食物繊維です。

腸内には1000兆個以上の腸内細菌がすみついていて、「善玉菌」、「悪玉菌」、「日和見菌」の3種類に分けられます。そして善玉菌2:日和見菌7:悪玉菌1のバランスが理想的で、もっとも腸内環境が整った状態です。善玉菌と悪玉菌は互いに数を増やすために常に闘っていて、日和見菌は善玉菌か悪玉菌のうち、多い方の働きを活性化させる性質をもっています。

みそに含まれる乳酸菌は善玉菌の代表ともいえるもの。みそ汁を習慣的にとることで、腸内に善玉菌を届けることができます。しかし、これだけでは不十分。善玉菌のエサになるものの補給も必要です。それがオリゴ糖と食物繊維です。

また、メラノイジンは、体内に入ると食物繊維に似た働きをして腸内の善玉菌を増やし、悪玉菌を減らす働きがあることもわかっています。

腸内細菌のバランスは年齢を重ねると善玉菌が減り、悪玉菌が増える傾向があります。毎日のみそ汁で、手軽に腸活を始めましょう。

ここでは、腸が整ってタンパク質もたっぷりとれるみそ汁レシピを1品紹介します。

●タラと白菜の酒かすみそ汁

酒かすの濃厚なうま味をタラと白菜が受け止めて、この上なく美味。

【材料(2人分)】

生タラ(切り身) 2切れ
白菜 1枚
酒かす 30g
酒 小さじ2
だし汁 2カップ
みそ 小さじ2

【つくり方】

(1) タラはひと口大に切り、酒をからめる。白菜は葉と軸はざく切りにし、芯は千切りにする。

(2) 酒かすはだし汁1/4カップにつけてやわらかくし、混ぜ合わせる。

(3) 鍋に残りのだし汁1と3/4カップを入れて中火にかけ、煮立ったら(1)を加え、再び煮立ったらフタをして弱火で7〜8分煮る。

(4) (2)を加えてみそを溶き入れ、ひと煮立ちしたら火を止める。

[1人分139kcal、タンパク質20.5g]

※ カロリー値はすべて1人分です。タンパク質量はカロリー値が1人分の場合は1人分を表記しています

※ 計量単位は1カップ=200cc、大さじ1=15cc、小さじ1=5ccです