ファビオ・カンナバーロ(33=レアル・マドリー)が今年度のバロンドールに輝く。欧州クラブで活躍する選手を対象に年間最優秀選手を選定する“フランス・フットボール紙”伝統の賞がイタリア代表主将に贈られる予定であることが17日、判明した。

発信源であるスペインのラジオ番組“ラジオ・マルカ”によると「カンナバーロへの授賞準備に向け、フランス・フットボール紙記者グループ約20人が今週スペインの首都マドリーを訪問する」との事。イタリアを代表するスポーツ紙、ガゼッタ・デッロ・スポルト、コリエレ・デッロ・スポルト共に17日付けの1面で報道、93年のロベルト・バッジョ以来13年振り4人目となるイタリア人選手の受賞を大々的に祝っている。

代表同僚GKジャンルイージ・ブッフォン(28=ユベントス)との一騎打ちと見られていた今年度バロンドールの行方。親善試合トルコ戦を翌日に控えた14日、カンナバーロは「バロンドール賞を僕とブッフォンの2人に贈る事は不可能なのかな?とにかく今年はイタリア人が選出されることを期待するよ」と心境を明かしていた。

ドイツW杯で流れの中からの失点を許さない鉄壁の守備を披露したイタリアは、24年振り4度目の優勝で“堅守イタリア”を世界中に再アピールした。カンナバーロ、ブッフォン以外にもピルロ、ガットゥーゾ、トニ、グロッソ、ザンブロッタとW杯優勝メンバー7名が最終候補50人にノミネートされていた。前代表監督リッピはカンナバーロ受賞の報に「本当に満足だよ。仮にブッフォンが選ばれていても同じ気持ちだろうが。彼ら2人は技術面でエクセレントなタイプではないだろうが、人間的に偉大な選手だよ」と愛弟子の受賞に目を細めて語った。

W杯直前に発覚したカルチョ・スキャンダル。「確かにモッジ(中心人物、前ユベントスGM)にも責任はあるだろうが、一瞬にしてモッジから離れた周囲の人間は許されるのか!?」との発言が誤解され、出集中砲火の中で挑んだW杯。名門ユベントスB降格後、イタリアの他クラブ移籍は許される状況ではなかった。一部のユベントス・サポーターから「裏切り者、守銭奴」と罵られながらも耐え続けたカンナバーロ。DFの獲得は、76年ベッケンバウアー以来30年振り3人目の快挙となる。正式発表は27日。偉大な代表主将をマルディーニから引き継いだカンナバーロが、ワールドカップに続きバロンドールを空高く掲げる。