ドジャース期待の右腕エドガルド・エンリケス(C)Getty Images

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9月24日(日本時間25日)、パドレスとの頂上決戦の7回にマウンドに上がったのが、ドジャース22歳のエドガルド・エンリケス投手だった。
2018年のアマチュア・フリーエージェントでドジャースと契約し、22年にはトミー・ジョン手術を経て、ようやくメジャーデビューを果たしたドジャースの“最終兵器”は、大谷翔平投手の悲願でもある“世界一”への救世主となれるのか。

■最速167キロ超えの剛腕がついにデビュー

ベネズエラ出身のエンリケスは、18歳でドジャースと契約し、トッププロスペクトとして注目されたが、22年に左ひじの靱帯再建手術(トミー・ジョン手術)を受け23年のシーズンを全休。さらに今年の3月には股関節手術受け、開幕は1Aで迎えた。その後は順調にAAAまでの3階級で昇格を果たし、マイナーでは計53回を投げて防御率2.72、奪三振88、奪三振率38.9%、与四球29でメジャー昇格を果たした。
エンリケスの最大の武器は、最速104.2マイル(約167.7キロ)の4シーム。初登板では、7回の1イニングを1安打無失点と上々のデビューを飾り、パドレスの主砲、フェルナンド・タティースJr.外野手に対しては100.9マイル(約162.4キロ)の4シームで空振り三振を奪った。

【動画】デビュー戦から規格外のスケール披露、エンリケスのデビュー登板

■通算437セーブの“Kロッド”再来となるか

今回のエンリケスのデビューに対し、02年に初の世界一に輝いたエンゼルスの“Kロッド”ことフランシスコ・ロドリゲス投手が比較される。
ロドリゲスは9月18日にメジャーデビューし、ポストシーズン(PS)では全3シリーズで計11試合に登板。PS史上最多(2001年のランディ・ジョンソンに並ぶ)の5勝を挙げ世界一に貢献すると、そこからメジャーを代表するクローザーとして、歴代6位の通算437セーブを挙げた。

【動画】ワールドシリーズでも奪三振ラッシュ…02年のフランシスコ・ロドリゲス

通常はPSのロースターに入るには、9月までに40人枠に入っていることが条件だが、負傷者の代役とし、特例でロースター入りが認められる。ロドリゲスはアーロン・シーリー投手の代役としてロースター入りし、今回のエンリケスはギャビン・ストーン投手の代役としてロースターに入ることが可能だ。

■ロバーツ監督も絶賛「才能については議論の余地はない」

エンリケスのメジャー昇格について、デーブ・ロバーツ監督は地元紙『ロサンゼルス・タイムズ』のインタビューにこう答えている。
「彼は確かに武器だ。投手の才能については議論の余地はない」。PSでの起用に関しては、「検討対象となる選手はたくさんいる。彼を試合に出場させてみて、どんな感じか見てみよう」と、起用について否定はしなかった。
そして、ロバーツ監督はシーズン最終戦、2-1でリードした9回にエンリケスをマウンドに送り出し、エンリケスは1イニングを無失点、1四球、2三振に抑え初セーブも挙げた。監督の期待にも応えたエンリケス。故障者が多いドジャース投手陣の救世主として、そして大谷の悲願である世界一に向けてPSに出場できるのか。パドレスとブレーブスのワイルドカード・シリーズでの勝者を迎え撃つ地区シリーズのロースターに、エンリケスが入るのかにまずは注目したい。