西武・渡辺久信監督代行【写真:小林靖】

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後藤高志オーナーは監督の去就問題について「人事の話はコメントできません」

■西武 4ー0 日本ハム(1日・ベルーナドーム)

 西武は1日、ベルーナドームで行われた日本ハム戦に4-0で勝ち、今季の本拠地最終戦を白星で飾った。観戦した後藤高志オーナーは試合後に取材に応じ、渡辺久信監督代行の手腕を評価しつつも、去就については「コメントできません」と話すにとどめた。

 試合後に首脳陣や全選手、スタッフの前で訓示を述べた後藤オーナー。「(渡辺監督代行は)厳しい状況の中でも1試合たりとも手を抜いた試合はなかった。選手諸君も手を抜いたプレーはなかった。それが(ともに0封で快勝した)今日、あるいは昨日の試合につながった。渡辺監督代行の思いというかリーダーシップ、あるいはマネジメント、そういったものがしっかり凝縮されたということだと思う」などと伝えたという。

 訓示を述べた後は取材に応じ、ファンや株主らから球団へのさらなるバックアップを求める声があがっていることについて「しているつもりですが、やはりファン目線で見た時はまだもっとやってもらいたいという気持ちがあるのは理解しています。最終的には成績が全てですから」と話した。

 渡辺監督代行の去就については「シーズンがまだ終わっていませんから。10月4日が最終日ですから、それまでは特に人事の話はコメントできません」と言及せず。それでも、手腕を評価しているかと問われると「もちろんです」と即答した。

本拠地最終戦セレモニー…渡辺監督代行「誰よりも西武ライオンズを愛しています」

 その渡辺監督代行は試合後のセレモニーでマイクの前に立ち、冒頭で「ファンの皆さんには本当に悔しく、辛い思いをさせてしまい、本当に申し訳ありませんでした。GMそして監督代行として責任を感じております」と“謝罪”。球団史上ワーストの91敗、借金「42」まで膨らんでしまった成績をファンに詫びた。

 そして「41年前に18歳で西武ライオンズに入団して、ほとんどの期間をライオンズとして戦ってまいりました」と突然、自身のことを語りだし、約7秒間沈黙した。ただならぬ雰囲気に“何か”を感じたスタンドから「辞めるなー!」の声が飛んだ。

 ファンの叫びが耳に届いたかは分からないが、指揮官は「私は誰よりも西武ライオンズを愛しています。そして、ファンの皆さんも引き続きライオンズ愛で選手の後押しをしてほしいです。よろしくお願いします。どうもありがとうございました。来年もまたよろしくお願いします」と一気に語って挨拶を終えた。自身の去就については触れなかった。

 監督をはじめ去就に関する発表はシーズンが終わってからというのが球団のスタンス。ライオンズへの強い思いを語った渡辺監督代行の挨拶は、ファンの心に響いていたに違いない。(湯浅大 / Dai Yuasa)