●オープン直後に長蛇の列

中京テレビ・日本テレビ系バラエティ番組『ヒューマングルメンタリー オモウマい店』(毎週火曜19:00〜)で紹介した店が集合する『オモウマいフェス』が、3月9日・10日にさいたまスーパーアリーナで開催された。

会場を取材したマイナビニュースでは、この現地レポートを全4回にわたり掲載。第1回は、「味のイサム」「エキサイトスーパー田中」といった人気シリーズの店主らへのインタビューをお届けする。

「味のイサム」店主の清彦さん(左)と「エキサイトスーパー田中」社長の田中潤さん


○店主からまさかの「うちでバイトしてみる?」

オープン直後、一番長い列ができていたのは、名物「元祖ぶたから」が大人気の「味のイサム」(埼玉)。『イナズマロックフェス』などイベント出店の常連だが、店主の清彦さんは「基本的にはいつもと変わらないけど、お客さんが『オモウマ』好きで来てるから、層が違うよね」と捉える。常連客で、全国各地のイベント出店に駆けつける安藤さんも、もちろん一番に来場していた。

担当の片桐大貴ディレクターが取材しながら店を手伝う姿が評判となり、シリーズが進むと家族旅行や帰省にも密着する親密な仲に。「片桐Dがうちに来なかったら、こういう状況にはなってないよね。そば屋36番(「茂三郎」担当の谷口昂D)が来ても、どんちゃん(「たこ焼き べんてん」担当の松原海友D)が来ても、こういう関係にはならなかったと思う」と、ただならぬ縁を感じている。

インタビューを終えて筆者が立ち去ろうとすると、「あのさ………うちでバイトしてみる?」と、まさかのスカウトが。あの店裏シーンを彷彿とさせる絶妙な間とトーンで誘われると、『ドラえもん』のBGMが脳内に流れ、テレビの中に入ったかのような気分に喜びを感じている自分がいた。

片桐D(右)ももちろんお手伝い








「味のイサム」元祖ぶたから

○どこまでも謙虚な踊る店主「たこ焼 べんてん」

店前でタコのかぶり物をした店主・伊藤奈緒子さんが「マツケンサンバII」に乗って一心不乱に踊りまくる「たこ焼 べんてん」(群馬)。「素敵な店舗ばっかりで、素敵なお客さんもいっぱいなので、全力500%の力を皆さんで合わせて頑張ろうと思います!」とハイテンションで取材を受けてくれた。

たこ焼きは作れる量に限界があるため、今回はビンゴ大会を開催して、その景品として提供することに。ビンゴガードを求めて行列ができていたが、「“応援してます”と声をかけていただき、本当にありがたいです。皆さん並んでいるので、“よろしくお願いします!”と一言しか返せなかったんですけど、そこに全力を尽くさせていただきました!」と、できる限りの心を込めた。

実際に会場に来て、「日々たくさんのお客様、たくさんの仲間に支えられて今日があるというのがどれだけありがたいかを感じます!」と感激の様子。放送後は「本当にありがたい反響ばかりなんですけど、自分には足りない部分があるので、アップデートする毎日です。去年の自分より、今年の自分のほうが少しでもお役に立てたらと思っています!」と、どこまでも謙虚な姿勢を見せていた。

来店客の握手に応じる「たこ焼 べんてん」店主・伊藤奈緒子さん


どんちゃんこと松原海友D(左)と伊藤さん


そんな店主と一緒に踊っていたのが、松原ディレクター(通称:どんちゃん)。「伊藤さんはお客さんに対して元気いっぱい接客しているので疲れているときもあります(笑)。一緒に踊ってめちゃくちゃ楽しいです! 車の中から手を振ってくださることが結構あるので、こっちも元気をもらえるし、温かい気持ちになります」と、すっかりイズムを受け継いでいる様子だ。

「べんてん」との出会いはまだAD時代で、「右も左も分からないまま1人でやっていたので、本当にお世話になりました」と、思い入れの強い店。「べんてんさんに行くと、いつも最初の一言目から明るいんです」と、訪れるたびに元気をもらっているそうだ。



●店主の笑い声がさいたまスーパーアリーナに響き渡る

年中タンクトップで店内外を駆け回り、森高千里の熱狂的ファンでもある「たこ焼きイヴちゃん」(宮城)の店主・伊深利幸さんは、一度爆笑しだすと止まらない元気さで人気に。

「イベントって初めてなんですよ。どこにも行ったことないから不安ばっかりで。段取りも何したらいいか分かんないし、どうやってお客さんをダマすか…」と言ったところで、「いやダマすって!」とツッコんでみると、「アハハハハ!! アハハハハ!! アハハハハ!!」という名物の笑い声が、さいたまスーパーアリーナに響き渡った。

放送から2年経っても反響は止まらないそうで、「“青森から来ました”って人もいましたよ。“どっかのついでに来たの?”って聞いたら、“ここのために来ました”って。あれはびっくりだね。やっぱりテレビの力はすごいね」と感心する。

そんな接客での意識を聞くと、「せっかく来たのにただ帰ってもらうのは失礼かなと思って、できる限り話をしようと思うよね。自分、調理場からなかなか出れないから、ひと声かけてほしい。そしたらお話できるから」と希望していた。

「たこ焼きイヴちゃん」店主・伊深利幸さん


ナポリタン

○八王子の地元愛とヒロミとの友情

番組MC・ヒロミの同級生である内田博之さんが店主を務める中華料理店「大進亭」(東京・八王子)は、大きな唐揚げが名物。以前、ヒロミから主催イベントへの出店オファーを受けたが準備期間が足りず断念しており、今回がイベント初出店となった。「去年から桃井(望都AD)が話をしてくれたから、段取りができたのよ」と満を持しての参戦だ。

放送後の反響は店の前の道路が渋滞するなど想像をはるかに上回るものだったそう。店内もパンク寸前のピンチに見舞われたが、番組スタッフが手伝ったことで何とか回すことができ、「みんながいなかったらできなかったよ!」と振り返る。

ヒロミとは放送後に会えていないが、LINEでやり取りをするように。この日はヒロミのブランド「八王子リホーム」のキャップに「八王子」ロゴがプリントされたTシャツ姿で、地元愛と友情をうかがわせた。

「大進亭」店主・内田博之さん


からあげ

●息子の台頭に「超えれるもんやったら超えてみろ」

刺激を求めてギリギリの価格ラインを攻め続ける「エキサイトスーパー田中」(愛媛)は、新鮮な野菜を出張販売。当初は、料金200円で詰め放題形式を想定していたが、田中潤社長は大きな会場で様々な“オモウマい店”が並ぶ光景に刺激が欲しくなってしまったのか、開店前に「やめた」と無料配布することを決断した。

担当の北山流川ディレクターは「予想だにしないことをされて、びっくりしました。僕らも良いものが撮れるように頑張ろうと思います」と刺激を受けた様子。社長はシャイな性格ながら、今回の出店をオファーすると「俺は何をすればいい?」と前のめりで受けてくれたそうだ。

オープンすると当然、野菜は早々になくなり、そこからは社長との写真撮影のために長蛇の列が。約6時間にわたり応じ続けたが、「楽しかったよ」とご満悦の様子だ。

最近の放送では、息子・國士さんとの“刺激”をめぐる親子のライバル関係がクローズアップされているが、「全然どうぞって感じ」という姿勢。それでも、「息子さんに自分を超えてほしいですか?」と尋ねると、「超えれるもんやったら超えてみろよって感じですね」と、親父としてのプライドをのぞかせていた。

握手に応じる「エキサイトスーパー田中」社長・田中潤さん